【社説】韓国経済に迫る二つの大きな渦

 韓国の自営業者・零細商工業者を代表する韓国小商工人連合会の会長が6日、記者懇談会で「最低賃金引き上げに伴う零細商工業者の実態調査を終えたが、(あまりに結果が悪く)恐ろしくて発表できずにいる」と語った。彼は、来年はさらに状況がまずくなるだろうとして「われわれが声を上げなければ(零細商工業者の)暮らしが破壊される」と語った。今年よりもずっと大きな、最低賃金引き上げの第2波が待っているのだ。

 今年の16.4%引き上げに続く来年度の最低賃金10.9%追加引き上げを前に、中小企業や自営業の現場では危機感が強まっている。中小企業中央会の調査によると、自営業者の75%が来年度の最低賃金引き上げについて「耐え難い」と回答した。国会の予算政策処は、来年の最低賃金引き上げで自営業者の人件費負担は年間205万ウォン(約20万6000円)増えると分析した。1人当たり平均3億5000万ウォン(約3500万円)の金融負債を抱えている自営業者は、既に稼ぎの相当部分を人件費や融資の償還に使っている。中小企業界では、「最低賃金大乱」が起こるという声が上がっている。

 雇用の現場では、社員を辞めさせ家族を投入して辛抱する自営業者、人ではなく無人自動化施設で代替する中小企業といった例が続出している。不況に加え最低賃金引き上げの余波で、休業・廃業する自営業者の数が今年は80万人を超え、来年は100万人を超えるという。中小企業が密集する光陽・蔚山などの産業団地では工場の稼働率が30%台に落ち込み、売りに出された零細工場の品々が積み上がっている。所得下位層の雇用が消え、二極化が深刻になった。こうした現象は、来年もっとひどくなるだろう。

 韓国政府の当局者らも、今さらではあるが問題の深刻さを認め始めた。経済副首相内定者は「最低賃金引き上げのスピードが速かった」と認めた。だが、いわゆる覆水のごとく、既に決められた来年の最低賃金は変えられない。ただし国会が法律を改正すれば、地域・年齢・職種ごとに差をつけることが可能だ。今年の年末で「6カ月間の処罰猶予」が終わる週52時間労働制ショックも、目と鼻の先に迫った。企業の生産、研究開発活動に支障が生じないようにするためには、取りあえず処罰猶予期間をもっと延長した後、できるだけ早いうちに補完策を整備しなければならない。目前に迫った最低賃金追加引き上げと週52時間制ショックで雇用現場の大混乱が現実になる事態は、何としても防がなければならない。

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