寒波で脱線!? 大恥をかいた韓国鉄道公社社長

 韓国鉄道公社の呉泳食(オ・ヨンシク)社長は8日、事故現場で記者団に「今回の事故は気温が急に低がり線路に問題が生じたことが原因ではないかと推定される」と言ったが、専門家の間からはすぐに「鉄道のことを知らないにしても、あまりにも知らなさすぎる」と批判が相次いだ。

 事故当時、現場である江原道江陵市の最低気温は氷点下10度にも達していなかった。ある専門家は「寒波が線路に影響を与えることはあるが、その程度の寒さで事故が起こるなんてあり得ない。鉄道責任者がそのような発言をすること自体が深刻な危機だ」と非難した。今回の事故原因に挙げられている「線路転換機」も、少なくとも氷点下40度でも耐えられるように設計されている。

 一般の人々からは「呉泳食社長の発言通りなら、シベリアでは毎日の列車が脱線を起こすということか」「このような発言をしたのは、政治家から(韓国鉄道公社の)社長になって、鉄道のことを全く知らないからだ」などの声が寄せられている。

【写真】KORAILのKTX脱線事故現場

 呉泳食社長は事故翌日の9日、事故現場を訪れた金賢美(キム・ヒョンミ)国土交通部(省に相当)長官に「当公社の調査の結果、線路転換機の回線連結に問題があって事故が発生したと推定される」と報告した。つまり、自身の「気温急低下事故説」を一日で撤回したということだ。

 「386世代」(1990年代に30代で1980年代に大学に通った1960年代生まれの世代)を代表する政治家だった呉泳食社長が、同公社社長に就任して最初にしたことは、ストライキなどを理由に解雇された鉄道労組員を復職させることだった。その後も南北鉄道連結事業や、韓国鉄道公社と水西発高速鉄道運営会社(SR)の統合問題など、政治的な問題に重点を置いていると指摘された。学生運動出身の政治家が社長に就任したことで、組織が過度に現政権寄り・労働組合寄りに運営されるようになったとの指摘もある。事実、韓国鉄道公社とその子会社5社の役員に任命された人物の35%が鉄道の専門家でなく、天下りだとされている。ある鉄道専門家は「呉泳食社長が南北鉄道連結や解雇労働者の復帰問題など政治的懸案に重点を置いているため、基本的な鉄道サービスの管理についてはなおざりになっているのではないかと思う」と語った。

チェ・ウォヌ記者
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