整形依存に警鐘、「扇風機おばさん」57歳で死去

 整形依存症で普通の人よりも顔が2-3倍膨れ上がった姿がテレビ番組で公開され、「扇風機おばさん」と呼ばれたハン・ヘギョンさんが亡くなっていたことが分かった。57歳だった。

 韓一病院(ソウル市道峰区)が17日に明らかにしたところによると、ハン・ヘギョンさんは15日に死去したとのことだ。死因は明らかにされていない。葬儀は家族により静かに執り行われ、同日午前、出棺を終えた。

 ハン・ヘギョンさんは2004年に『瞬間キャッチ 世の中にこんなことが』(SBS)という番組の「失われた顔」編で初めて紹介された。

 若いころ秀麗な容姿で歌手になるのが夢だったハン・ヘギョンさんは、20代前半から夜にステージ歌手として活動していたという。「トップになるにはもっときれいにならなければ」と考え、気に入っていなかったあごを矯正するため違法に顔にシリコンを注入することにした。ところが、その後も顔に手を加える回数がますます増え、自らあごに大豆油・パラフィン・工業用シリコンなどを注入していたとのことだ。

 その副作用により、ハン・ヘギョンさんの顔は通常の大きさの3倍以上に膨らんでしまい、統合失調症などの精神疾患も発症した。ハン・ヘギョンさんは当時出演した番組で、「『入れろ』という幻聴が聞こえるたび違法な手術を試みていた」と告白した。

 ハン・ヘギョンさんのこうした状況が放送されると、美しくなろうとして無分別に整形手術を受けることに対する警戒心が社会的に高まった。また、後遺症に苦しむハン・ヘギョンさんに対して、視聴者たちは多くの同情と声援を送った。「失われた顔」編は視聴率31%(ニールセン・コリア調べ)を記録、第38回ヒューストン国際フィルム・フェスティバルで「実話に基づいた番組」部門の銀賞を受賞した。

 ハン・ヘギョンさんはこの放送後、数回にわたって異物除去手術を受け、リハビリを開始した。06年には「30代のころ、日本で夜のステージ歌手として活動するほど歌手という夢を胸に抱いていた」として、「ハン・ミオク」名義でアルバムもリリースした。このアルバムには『海雲台恋歌』『もしかして』など全11曲が収録された。

 ハン・ヘギョンさんは08年、『瞬間キャッチ 世の中にこんなことが』500回特集に出演して、「今も顔を見ると『整形をしたい』という衝動に襲われるが、そうした気持ちを抑えている」とリハビリへの意欲を口にしていた。その後も、MBC『ヒューマンドキュメント』、KBS第2『余裕満々』、チャンネルA『あの時あの人』などの番組に出演し、「17回にわたる再建手術を経て情緒的に安定を取り戻した」と近況を伝えていた。

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  • ▲「扇風機おばさん」と呼ばれたハン・ヘギョンさんが2006年にリリースしたアルバムのジャケット。整形依存症になる前のハン・ヘギョンさんの写真が使用された。写真=メロン
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