韓国大統領府特別監察チームが本来の職務の範囲を逸脱し、企業やメディア、与野党の政治家、研究者など民間人について幅広く情報収集を行ってきたことが19日までに分かった。保守系野党・自由韓国党はこの日、同チームのメンバーだったキム・テウ捜査官が作成したとみられる100件以上の監察報告書リストを公表した。この資料には監察チームが民間人に対して執拗(しつよう)に情報収集を行ってきた事実が記載されている。野党各党は「さまざまな方面から民間人への査察が行われてきた疑惑が濃厚だ」として強く反発している。
リストは自由韓国党のナ・ギョンウォン院内代表が国会で開催された議員総会で公表した。リストには「進歩系(リベラル)教授の○○○、私的な感情でVIPを非難」「朝鮮日報が(与党)共に民主党の○○○議員による司法取引容疑を取材中」「コリアナ・ホテル社長に関する動向」など100件以上の監察あるいは動向に関する報告書の題目が記載されていた。自由韓国党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)院内代表をはじめとする野党議員らに関する報告書もあった。
リストの公表を受け「報告書のほとんどは特別監察チームが監察すべき対象ではない」との指摘が相次いでいる。ある野党関係者は「特別監察チームは企業や研究者、政治家だけでなく、メディアが取材している内容についてもチェックしていた」と主張し、ナ院内代表は「民間人に対して片っ端から査察を行っていたようだ」と指摘した。
キム捜査官は本紙との電話インタビューで「報告書の多くは実際に上に報告された」とも明らかにした。韓国大統領府のパク・ヒョンチョル反腐敗秘書官は「問題となった10件中3件はチョ・グク民政主席にまで報告され、この3件を含む4件は本人(パク秘書官)まで、4件はイ・インゴル監察チームのリーダーに報告された。2件は報告されていない」と明らかにした。キム捜査官は「特別なケースでない限り、一切の指示なしに自分がまとめた文書だ」とした上で「査察を受ける可能性がある文書は監察チームのリーダーが廃棄した」とも伝えた。
その一方でキム捜査官は「メディア関連や仮想通貨などに関する報告書は上からの指示を受けて調査が行われた」とも明らかにした。自由韓国党は問題の特別監察チーム疑惑について捜査を行う特別検察の設置を求めることにした。これに対して韓国大統領府はこの日、キム捜査官を公務上機密漏えいの容疑でソウル中央地検に告発した。