1500年前の星空が刻まれた伽耶の古墳を発掘

 満天の天の川、その中で「いて座」と「さそり座」は明瞭に見えた。1500年前の阿羅伽耶の王は、墓に横たわり、空の星がはっきりと刻まれた天井を見つめていた。

 「伽耶の星座」が初めて発掘された。文化財庁は今月18日、慶尚南道咸安郡と東アジア文化財研究院が調査を進めている咸安郡伽耶邑道項里936番地の「咸安・末伊山13号墳」(史跡515号)で、四方の壁に赤い染料を塗った竪穴式石槨(せっかく)墓を発見したと発表した。

 この墓の天井石は長さ2メートル、幅80センチ、厚さ25センチだった。天井石の下面には125個の穴がうがたれていた。この穴は夜空の星座と一致する「星穴」、すなわち石の表面に穴を彫って星を表現したものだった。伽耶の夏の夜空を明らかにする天文図が、そこにあった。ただなにげなくうがった穴ではなく、穴によって大きさと深さが違っていた。調査団は「星によってそれぞれ異なる明るさを表現したものとみられる」と説明した。体裁を整え星座を彫った天井石は、墓の主が安置された石槨の真ん中に配置された。墓を作った当時、意図的にこのように作った可能性が高いという。

 韓国古代の星座は、青銅器時代の岩刻画にまず現れ、墓の中の星座は角抵塚・舞踊塚(いずれも中国・集安県)といった高句麗の古墳壁画に見られる。慶尚北道高霊郡の池山洞30号墳のように、古墳の天井石の上面に現れることもあるが、このケースは青銅器時代の岩刻画を天井石として再利用した結果、というのが通説だ。となると「星座を刻んだ天井石」として作られた墓の発見は、末伊山13号墳が初めてということになる。

 誰の墓としてこのように作られたのか。東アジア文化財研究院のチェ・ギョンギュ調査団長は「いて座の一部に当たる南斗六星に注目すべき」と語った。南斗六星は東洋天文学で地、生命、長寿を象徴する星とされ、空と死を象徴する北斗七星とは反対の概念だ。またチェ団長は「石棺の内側に塗ってあった赤は、火と太陽、復活を象徴する色」と指摘した。となると13号墳の主は、おそらく阿羅伽耶の全盛期の王だったのだろう。

 伽耶連盟の一つだった阿羅伽耶は現在の慶尚南道咸安を中心とし、一時は勢力の強さをとどろかせた国で、伽耶と日本の交渉において中心的役割を果たした。末伊山13号墳は直径40.1メートル、高さ7.5メートルにもなる阿羅伽耶最大級の古墳で、今回の発掘は1918年の谷井済一による小規模な調査以来、100年ぶりに行われた。

 今回出現した13号墳の石槨もまた長さ9.1メートル、幅2.1メートル、高さ1.8メートルと大型で、収集した遺物の年代から推定すると5世紀後半の墓とみられる。チェ・ギョンギュ団長は「阿羅伽耶の天文思想に迫る重要な資料になるだろう」と語った。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者
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  • ▲末伊山13号墳(慶尚南道咸安)の天井石にうがたれた星穴。伽耶地方の夏の夜空に見える星座を表現したもので、いて座とさそり座が見える。いて座には、東洋の天文思想で生命を象徴する南斗六星がある。下の写真は、18日に現場説明会が開かれた末伊山13号墳の様子。/写真=文化財庁・聯合ニュース

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