【コラム】「文在寅外交って何なの? 素人じゃあるまいし」

 映画『ゴッドファーザー』の主人公ドン・コルレオーネは、「麻薬ビジネス」を提案された場で軽口をたたいた長男を呼び出し、「ファミリー以外の人間にはお前が何を考えているのか絶対に言ってはいけない」と厳しく警告した。自分の意図を相手に気づかれないようにしろという教訓が通用するのはマフィアの世界だけではない。自分の持ち札ばかりを先に明かせば交渉が不利になる。また、交渉が自分の意図とは異なる結果になった時、体面の問題も生じる。大韓民国の大統領は金正恩委員長の答礼訪問やローマ法王訪朝にこだわって徒労に終わった。「対北朝鮮制裁解除によって非核化を促進する」という構想を掲げて出発した欧州歴訪では、「完全に非核化されるまで制裁を維持する」という共同宣言文が採択された。原発受注のため行ったかのように説明していたチェコ訪問では、原発の話を切り出すこともろくにできなかった。国際舞台での度重なる文在寅外交の素人ぶりに、韓国の国民も顔を赤らめている。

 ドン・コルレオーネが「お前が何を考えているのか絶対に言ってはいけない」と警告した時、言ってはならない相手は「ファミリー以外の人間」だ。つまり、ファミリーという仲間うちなら考えを明かしてもいいということだ。文在寅政権が本音まですべて打ち明けたのは、北朝鮮の金正恩委員長たちのことをファミリーだと思っているからで、だから真摯(しんし)な気持ちを伝えるためにやったというなら、ほかにいう言葉はない。

金昌均(キム・チャンギュン)論説主幹

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