強制徴用:新日鉄住金の資産差し押さえ、大邱地裁浦項支部が認める

 韓国の裁判所が新日鉄住金(旧:新日本製鉄)の強制徴用被害者弁護団が申し立てた同社の韓国国内資産の差し押さえ措置を承認した。強制徴用被害者が申し立てをしてから四日目のことだ。

 大邱地裁浦項支部が、強制徴用被害者イ・チュンシクさん(95)ら原告の代理人である弁護団が先月31日に申し立てた新日鉄住金の韓国資産差し押さえを承認したことを8日、明らかにした。浦項支部側は「今月3日、原告側が申し立てた資産の差し押さえを承認した。企業側に関連書類を送り、手続きを踏んでいる」と説明した。原告側が差し押さえを申し立てた新日鉄住金の韓国国内の資産とは合弁会社「ポスコ・ニッポン・スチールRHFジョイントベンチャー」(PNR)の株だ。PNRは新日鉄住金の前身である新日本製鉄が2008年に韓国鉄鋼大手ポスコと提携して設立した製鉄副産物のリサイクル企業で、新日鉄住金はPNRの株を234万株余り(約11億円相当)持っているという。

 韓国大法院(最高裁判所)は昨年10月末、イ・チュンシクさんら4人が新日鉄住金を相手取り起こした損害賠償請求訴訟で、「新日鉄住金は原告に1人あたり1億ウォン(約1000万円)を賠償せよ」との判決を下した。今回の差し押さえ申し立ては、この件の原告のうち、生存している2人が出したものだ。差し押さえが決まった資産はPNR株8万1075株で、4億ウォン(約4000万円)相当だ。差し押さえ金額が増えたのは、2013年にソウル高裁がこの件に関して大法院と同じ内容の判決を下した時から年間20%の遅延賠償金が加算されたためだ。

 大邱地裁浦項支部の決定に基づき、新日鉄住金はPNR株8万1075株の売買や譲渡などの権利を失う。差し押さえ命令の決定は、PNRに書類が送達されるとすぐに効力が発生する。PNR側はまだ関連書類を受け取っていないとのことだ。

 今回の差し押さえ承認について、日本の公共放送NHKは「新日鉄住金は『引き続き日本政府とも協議しながら適切に対応していく』とコメントした」と報道した。また、日本の河野太郎外相は8日午前、訪問先のインドで、「日本企業に何か不利益が生じるようなことになれば、直ちに取るべき手段を取らなければならない」と明らかにした。

 今後、PNR側が裁判所の決定に不服を申し立てて即時抗告すれば、差し押さえが遅れることもあり得る。しかし、裁判所が抗告を受け入れる可能性はそれほど高くないと見られている。原告側代理人を務めるキム・セウン弁護士(法務法人ヘマル)は「新日鉄住金側が『賠償責任はない』という従来の見解を繰り返し、被害者との協議に応じなければ、裁判所の判決に基づいて差し押さえられた株の売却命令を申請する可能性もある」と語った。

浦項=クォン・グァンスン記者 , パク・サンヒョン記者
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