性的暴行:大韓体育会、被害の全数調査しながら放置

 大韓体育会は、ショートトラック女子韓国代表の沈錫希(シム・ソクヒ)選手(21)が「未成年の17歳だった2014年から代表チームのチョ・ジェボム元コーチより常習的な性的暴行を受けていた」として、昨年12月17日に京畿南部地方警察庁に告訴していたと明らかにした8日、「2018年スポーツ(性)暴力実態調査」の結果を発表した。これは、無作為に選ばれた学校・実業団チームの選手・指導者1201人と保護者61人、そして韓国代表791人を全数調査したものだ。調査官が1対1の対面形式で実施したこの調査では、回答者のうち4人が「性的暴行の被害を受けたことがある」と答えていた。

 ところが、大韓体育会は性的暴行の事実を認識していながら、即座に後続の調査を行わなかった。これに対して批判が起こると、性的暴行事件を明らかにするためではなく、今後の関連政策を立てる際の参考にするためだけの調査だった」と釈明した。

 既存の申告処理や懲戒システムにも問題が多い。大韓体育会はスポーツ人権センターを通じて性的暴行被害申告があると、その種目の連盟や団体に内容を通知する。連盟や団体はまず独自調査をして懲戒処分の程度を決めて大韓体育会に報告する。そして、大韓体育会は手続き上の瑕疵(かし)がなかったかどうかを審議し、懲戒処分を確定させる。湖西大学スポーツ科学部のチュ・ジョンミ教授は「体育団体の規模が小さく閉鎖的なので、被害に遭った選手が申告しても懲戒処分がきちんと行われない。性的暴行問題に対処する独立機関が必要だ」と話す。

 大韓体育会は10日、「全種目の選手村現場を全数調査するなど、スポーツ人権システムを全面的に見直して正していく」と発表した。韓国代表の選手村練習場や競技場に防犯カメラ、ロッカールームに非常ベルを設置するなどして死角を最小限にし、選手村内に女性管理官や人権相談員を増やすという対策を打ち出した。

 教育部(省に相当)も学校の部活チームや個人コーチなどが性的暴行や暴力で懲戒処分を受けた場合、保護者がその内容をインターネット・システムで閲覧できるよう制度を改善する方針だ。これまではコーチが懲戒処分を受けたことを所属学校と管轄の教育委員会にのみ通知していたため、問題のコーチが別の市や道の学校に移ったり、選手の個人コーチになったりすることが多かった。今後は保護者が特定のコーチに問題があったかどうかを確認できるようにするものだ。

キム・ウンギョン記者
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