【記者手帳】性的暴力被害者を人事で二度泣かせた大韓体育会

【記者手帳】性的暴力被害者を人事で二度泣かせた大韓体育会

 韓国を代表するスポーツ団体、大韓体育会が7日、鎮川選手村長に申致容(シン・チヨン)元韓国男子バレーボール代表監督を任命した。事務総長は金勝鎬(キム・スンホ)元人事革新処訴請審査委員長が務める。

 当初今回の人事は1月15日の理事会で発表される予定だった。しかし、スポーツ界で性的暴力問題が拡大し、事態収拾のために延期され、1月31日の理事会でも「最終調整」を理由に再延期された。2月の旧正月連休明けまで選手村長が空席のままとなり、国家代表選手の新年の練習開始式すら開けないという前代未聞の事態は避けられたが、体育会の人事システムの問題点に対する批判は避けられない。

 体育会では1月に内部人事異動で幹部に対する発令を取り消すという事態も起きた。同幹部は2017年に職員が上司に強引にキスされたとして告発した際、セクハラ防止担当部門の本部長クラスの人物だった。同幹部は当時、被害を受けた職員に「女性が女性に軽くキスする程度はあり得ることじゃないか」と懐柔していたことが明らかになり、警告処分を受け、泰陵選手村長に異動した。体育会による1月の人事で同幹部の異動先はなんと被害を受けた職員が働く部署だった。職員による強い抗議を受け、発令自体を取り消した体育会は、それをミスだったと弁明した。しかし、人事異動の時期はショートトラック韓国代表、沈錫希(シム・ソクヒ)選手による性的暴力被害告発があった直後のことであり、体育会が性的暴力問題をどのようにとらえているかがうかがえる。

 スポーツ界は今回の問題人事について、体育会の李起興(イ・ギフン)会長の責任を問う声が大きい。李会長は就任後、自分が関係する特定の宗教のスポーツ選手をひいきし、スポーツとは無関係の元幹部公務員を要職に迎えた。また、早期退職した側近を契約職で呼び戻すなど「情実人事」を乱発し、人事システム自体を崩壊させたと批判されている。

 李会長は昨年の国政監査で、与野党の議員から叱責を受け、大規模な人事刷新を約束した。しかし、旧態がなくなったとは言えないようだ。李会長はスポーツ界の元老と専門家7人で構成したという新任選手村長推薦委員会リストも公表を拒否し、先月新たに任命した女性選手村の副村長にも志願を勧誘していたことが明らかになった。

 体育会は7日、選手村長と事務総長の人事発表を契機として、スポーツ界の不正根絶に向けた刷新に拍車をかけると表明した。しかし、現在スポーツ界が最も望むことは最高責任者である体育会長が自身の過ちと失敗を謙虚に認め、それに対する責任を負うと表明する誠意ではないか。

キム・ウンギョン記者(スポーツ部)

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