【コラム】虹を追う韓国の駐中大使・張夏成

 ところが、その発言からわずか6日後、張氏の駐中大使内定が報じられた。張氏が大使内定を知っていて退任のあいさつを行ったかどうかは分からない。たとえ知らなかったとしても、「現実の政治はやらない」と宣言しておいて、大使ポストをすんなり引き受けるというのは納得できない。特に中国は韓国の外交において、米国に匹敵するほど重要な国だ。「側近で信頼できる」という生半可な理由だけで実力が検証されていない人物を大使に据えてもよいポストではない。

 張氏は米国で経済・経営学で修士号、博士号を取得し、これまで経済分野の学者として生きてきた。それが突然、文在寅政権で初代政策局長に抜てきされた。文政権の経済政策を直接陣頭指揮したが、事実上落第点で退任した。今度は専攻分野でもない外交・安全保障分野を担当するというのだ。それに非核化交渉をはじめとする南北と米中のデリケートな懸案が山積している状況だ。「虹を追う」という張氏が話して駐中大使としての役割を果たすことができるのか、外交関係者の間では懸念する声が相次いでいる。対中外交は虹を追い実験する場ではない。張氏が誤れば、個人的な失敗にとどまらず、大韓民国の外交の失敗につながる。

ノ・ソクチョ政治部記者

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