全斗煥元大統領 起訴事実を全面否認=光州事件に絡む名誉棄損 

【光州聯合ニュース】軍が市民らの民主化要求行動を弾圧した1980年の5・18民主化運動(光州事件)に絡み、死者に対する名誉毀損(きそん)の罪で在宅起訴された韓国の全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領(87)が11日午後、光州地裁で開かれた公判に初めて出廷した。

 多くの死傷者を出した光州事件当時、軍人として鎮圧にあたった全氏は2017年4月に出版した回顧録で、軍のヘリコプターから市民に向けて射撃したとする故チョ・ビオ神父の目撃証言をうそだと主張。チョ神父を「聖職者という言葉が意味をなさないほど破廉恥なうそつき」と非難し、昨年5月に在宅起訴された。

 この日の公判で全氏は「過去の国家機関の記録と検察の調査を基に回顧録を記した。ヘリによる射撃説の真実はまだ確認されていない」などとして起訴事実を全面的に否認した。

 一方、検察側は国家記録院の資料と国防部の特別調査委員会の調査結果、捜査や公判の記録、参考人の供述などから軍によるヘリからの射撃があったという客観的な証拠を確保したとして、全氏が回顧録に虚偽の内容を記載してチョ神父の名誉を毀損したと主張した。

 これに対し、全氏の弁護士は全氏が故意に虚偽の事実を記録し、名誉を棄損したのではないと反論した。

 全氏は自身の後に大統領になる盧泰愚(ノ・テウ)氏らとともに79年12月の粛軍クーデターで権力を掌握。翌80年の光州事件を武力鎮圧するなどし、同年8月に大統領に就任した。95年に内乱首謀や収賄などの容疑で逮捕され、97年4月に大法院(最高裁)で無期懲役の判決が確定したが、ほどなく特別赦免された。

 今回の裁判を巡っては、被告の出廷が義務付けられていない公判準備手続きが昨年7月に行われたが、その後、全氏が2度にわたり裁判を欠席したため、裁判所が勾引状を発付。この日、全氏は約23年ぶりに法廷に立った。

 次回の公判は、4月8日午後2時から開かれる。

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