道路名から詩碑まで…韓国自治体間で加熱する「親日清算」競争

 学校だけではない。「親日の痕跡消し」は自治体ごとにさまざまな分野で繰り広げられている。親日かどうかを分ける基準は、左派寄りの民族問題研究所が編集した『親日人名辞典』に名前が出たかどうかだ。

 京畿道の李在明(イ・ジェミョン)知事は今月6日、「親日作曲家論争がある道歌『京畿道の歌』の斉唱を、しばらく保留したい」と表明した。この歌は「三角山のそびえる下、村々が長き歴史を刻んだ伝統のよりどころ…」で始まり、歌詞は親日と無関係な内容だが、作曲したのは『親日人名辞典』に名前が載っている李興烈(イ・フンリョル)=1909-80=だ。

 これに先立ち京畿道高陽市・抱川市・驪州市も、作曲家の金東振(キム・ドンジン)=1913-2009=が手掛けた市歌の使用を中断している。全羅北道も、同じく金東振が手掛けた「全北道民の歌」を変更する作業に入った。金東振は李興烈と同じく20世紀韓国の代表的な作曲家に挙げられるが、1940年代に満州で新京交響楽団の団員として活動し、日本を称賛する演奏・作曲活動をしたという理由で『親日人名辞典』に名前が載った。

 親日とされた人物の銅像・詩碑を撤去せよという主張も強い。巨済市の市民団体のメンバーは今月1日、巨済市内にある金白一(キム・ペクイル)=1917-51=将軍の銅像の横に「親日行跡断罪碑」を立てた。富川市は先月、親日論争がある詩人・徐廷柱(ソ・ジョンジュ)=1915-2000=、盧天命(ノ・チョンミョン)=1911-57=、朱耀翰(チュ・ヨハン)=1900-79=の詩碑を市内から全て撤去した。全国教職員労働組合(全教組)ソウル支部も先月、ソウル市内の7校に「親日」人物の銅像があるとして撤去を主張した。

 地名や道路名を変えるところもある。ソウル市城北区は最近、高麗大学や『東亜日報』の創設者として知られる金性洙(キム・ソンス)=1891-1955=の号にちなんだ「仁村路」を「高麗大路」に変えた。仁村の故郷、全羅北道高敞郡も「仁村路」の改名作業を進めている。

 また全州市は、市内の「東山洞」という地名は植民地時代に三菱グループが運営していた「東山農場」に由来するとして、地名変更を検討している。

パク・セミ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい