【社説】企業を冷遇する韓国で一体誰が起業するというのか

 SKイノベーションは米ジョージア州に17億ドル(約1880億円)を投資し、電気自動車用バッテリー工場の起工式を開いた。2000人を雇用するという。ジョージア州は工場の敷地112万平方メートルを20年間無償で提供し、電力、上水道、道路などのインフラ面、人材訓練まで支援する。SKが最終提案書を送ると、ジョージア州知事は未明の時間に1時間で署名し、起工式では米商務長官も駆けつけて、くわ入れを行った。SKの工場誘致に当たっては、アラバマ、サウスカロライナの両州もさまざまな優遇策を掲げ、激しく競合したという。

 ベトナムはサムスン電子の携帯電話・家電工場を誘致するため、法人税4年免除、12年間の低税率、輸入部品の関税免除などの優遇措置を取り、同社のために12億ドルをかけ、高速道路まで整備した。現代自動車は過去23年間、韓国に工場を新設していないが、土地の無償提供やさまざまな税制優遇策を受けられる海外には20カ所の工場を建てた。現在も東南アジアでは現代自の工場を誘致するため、インドネシアとベトナムが新たな港湾建設まで約束し、激しく競合している。こうした事例は枚挙にいとまがない。

 韓国では正反対のことが起きている。サムスン電子の平沢半導体工場は地元住民57世帯が送電線建設に反対し、4年間遅れた。政府や地方自治体は傍観している。サムスン電子は結局、送電線を地下化することで建設を急ぐ「急行料金」750億ウォン(約73億5000万円)を支払った。それだけではない。LG化学が全羅南道羅州市に増設を計画していた先端素材研究開発センターは、市民団体の反対を理由に許可が下りず、計画が断念された。新世界グループは京畿道河南市に4000億ウォンを投じ、先端物流センターを建設しようとしたが、住民の反発で無期延期された。企業がこれだけ冷遇されているのに、誰が韓国で起業しようとするだろうか。

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