偏向報道:人気ラジオ番組「金於俊のニュース工場」はデマ工場か

 左派陣営からも司会者が政治的に偏向し過ぎているとして、「地上波ラジオ番組の司会者として、金於俊氏はふさわしいか」という議論が絶えない。左派政権をかばったり、保守陣営を攻撃したりするために真偽不明の疑惑を無差別に提起してきたからだ。金於俊氏は2016年にポッドキャストで「セウォル号の船員が故意にいかりを下ろし、船を沈没させた」という趣旨の発言を行った。17年3月のニュース工場でも「セウォル号故意沈没説」に触れた。同年4月には12年大統領選で不正な開票があったとする内容の映画「ザ・プラン」をインターネットで公開した。17年大統領選のわずか1カ月前のことだった。

 専門家は正確な検証を経ずに主張を行う番組進行スタイルがニュース工場の人気要因だが、警戒すべき点だと指摘する。高麗大メディア学部のキム・ソンチョル教授は「方向が正しいか間違っているかはともかく、明快に主張を行うため、客観性を欠いているとしても多くのリスナーが聴いている。特に影響力がある時事番組の場合は、リスナーや市民が事実関係に問題があるかどうかを自分で判断できなければならない」と述べた。

 金於俊氏とニュース工場の出演者による主張は、毎朝さまざまなインターネットメディアを通じ、フィルターなしで大衆に伝わる。扇動的で刺激的な番組内容をそのまま伝えるだけでもアクセスが伸びるからだ。2月11日午前の放送終了から1時間以内にインターネット上に掲載された記事は15本に上った。

ク・ボンウ記者
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