「山火事発生時は高い場所へ?」 国立公園公団の避難要領が物議

 江原道で発生した大規模火災に関連し、韓国国立公園公団が「火が出ている場所より高い所に避難」などと完全に誤った避難要領をフェイスブックに載せていたことが8日までに分かった。

 国立公園公団は5日午前9時30分ごろ、フェイスブックに「山火事発生時の緊急避難要領」を掲載。内容は▲風上に向かって避難▲住宅では玄関と窓を閉めて引火性物質を除去した上で避難▲災害放送などをよく聞いて迅速に避難-などと書かれていた。その中で問題になったのが「山火事より高い場所へ逃げること」という文章だった。

 これは、韓国行政安全部(省に相当)が発表した災害時の行動要領とは正反対の内容だ。行政安全部の行動要領には、火災発生時の適切な避難場所について「既に火が通り過ぎた場所、低い場所、道路、岩陰などがよく、山火事より高い場所は避けなければならない」と書かれている。

 専門家らは「山火事が起きている場所より高い所へ逃げるという指示は理解できない」と口をそろえた。

 ソウル市立大のイ・ヨンジュ教授(消防防災学科)は「火は基本的に上に行く性質が強いため、平地より斜面の方が火災の拡大が速い」として「風の影響を抜きに考える場合、山火事の起きている場所より低い場所に逃げるのが正解」と指摘した。又石大のコン・ハソン教授(消防防災学科)も「常識的に納得しがたい。高い場所に逃げれば焼け焦げて死んでしまう」と話した。

 国立公園公団は同日午前10時10分ごろ、ネットユーザーからの指摘でようやく内容を修正した。

 国立公園公団側は「単なる打ち間違い」と釈明。その後、「高い場所へ避難する」という表現を「高い場所は避ける」に修正したと発表した。

クォン・オウン記者
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