【萬物相】韓国政府の支援を受ける聯合テレビの放送事故

 16年、中国国営の新華社通信が習近平国家主席を「最高指導者」ではなく「最後指導者」と誤って記し、記者とデスクが重懲戒を受けた。北朝鮮に至っては話にもならない。金日成(キム・イルソン)主席の追悼記事を読んでいて「金正日(キム・ジョンイル)逝去」と言ったアナウンサーは、跡形もなく姿を消した。金日成「元帥」(ウォンス)を「怨讐」(ウォンッス)と書いてしまった記者もいたが、命脈を保つことはできなかっただろう。

 メディアにとって、誤報と放送事故は避けられない宿命のようなものだ。確認を重ねても、「盗まれるときはイヌも吠えない」といえそうな、万事うまくいかない状況も起こる。果ては文大統領自身、訪米時に芳名録へ「大韓民国(テハンミングク)」ではなく「大韓米国(テハンミグク)」と書いてしまった。人はミスをしてしまうものだ。韓国政府の支援を受けているメディアが、文大統領を批判しようという意図を持つはずがない。文大統領にとって肯定的な報道をしようとして生じた、制作上のミスだろう。社内レベルで警告したりけん責したりする程度で済ますべき事案だった。ところがテレビ局側は、わずか一日で報道局長とニュース総括部長を解任した。それも足りないのか、4月12日には報道の最高責任者に当たる報道本部長まで解任した。あるテレビ記者は「政権にとって目障りな事故が起きるたび、報道局を一掃するつもりか」と語った。今は全斗煥(チョン・ドゥファン)大統領の第5共和国時代ではない。過ぎたるは及ばざるがごとしだ。

アン・ヨンヒョン論説委員
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