文在寅外交の「首脳会談万能主義」、国際政治の現実と乖離

 トップダウンの中でも南北首脳会談を強く押し出すのは、韓国大統領府(青瓦台)・与党の中心人物らが、学生運動時代から心に抱いてきた「ロマン的対北温情主義」とも深い関係がある、と分析されている。左派学生運動圏から右派へと移ったある人物は「386(1990年代に30代で80年代に大学に通った60年代生まれの世代)は、(韓米)同盟よりも民族の方が優先という考えを確固として持っている。南北関係に執着するので無理筋が続き、4大国外交はおろそかになるのは避けられない」と語った。

 問題は、こうした韓国政府・与党の認識が、国際政治の現実とは懸け離れているということだ。元統一相政策補佐官のキム・スン氏は「現政権のインナーサークルの認識は、北朝鮮の核がまだ初歩的な段階だった盧武鉉政権末期のものにとどまっている。その後10年間で5回の核実験を行い、北朝鮮の核が高度化し、複雑な国際問題になったという事実を見過ごしている」と語った。元国家情報院第1次長の南柱洪(ナム・ジュホン)氏も「ハノイ・ノーディール、ワシントン・ノーディールを通して、トップダウン外交の限界が明らかになった。米朝首脳会談が再度開かれても、成果を期待するのは難しいとみられる」と語った。

李竜洙(イ・ヨンス)記者 , ノ・ソクチョ記者
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