「低信頼社会」韓国、盗撮におびえる若いカップルたち

「低信頼社会」韓国、盗撮におびえる若いカップルたち

不安におびえる若いカップル

 #1 Aさん(女)=22=は「まさか成人向け雑誌で取り扱われるような話を交わすようになるとは思わなかった」と話す。Aさんは昨年からモーテルやペンションなどの宿泊業者で盗撮犯罪が頻繁に発生しているという話を耳にした。それ以降、こうした業者を訪れていない。しかし、青春時代を謳歌(おうか)する若い男女にとって二人きりになれる場所は必要だった。結局このカップルは、廃ビルの階段や倉庫などを訪れるようになったという。Aさんは「私がこんな暗い場所を訪れるようになるとは思いもしなかった」としながら「隠しカメラのない場所を求めてさまよい歩く『遊牧民』と自ら言い聞かせている」という。

 #2 大学生のイさん(24)は、彼女と昨冬大手チムジルバン(韓国式サウナ)や温泉を巡る旅行に出た。旅行には行きたいと思ったが、宿泊先は信じられなかった。あるいは設置されているかもしれない隠しカメラが気になったのだ。そこで、宿泊業者を避け、チムジルバンで寝泊まりすることにした。純粋に空間だけを共有する健全な旅行だ。宿泊業者に足を運ばなくなって約4カ月になるというイさんは「彼女と二人きりで長くいたいのに、そうできないのがつらい」と話した。

 隠しカメラによる犯罪が年々増加していることで、若いカップルの行き場所が減っている。「デート・ノマド(Nomad=遊牧民)」と格好いい名前も付いたりしているが、実は安全なセックス空間を求めてあちこちさまよい歩くカップルといったところだ。盗撮装置が設置されているのではないかといった懸念のため、モーテルやペンションなどの宿泊業者には足を運ばない。特に両親と共に暮らす大学生などは大変だ。これらの学生は「愛し合っていてお互いの同意があればセックスも可能だと思っているが、二人きりの時間を過ごせる場所がない」と訴える。

イ・ヨンビン記者
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