【コラム】韓国世論調査会社リアルメーターのおかしな設問

 さらに深刻なことは「意のままに世論をごまかし、意に沿う世論にだけ従う」という独善的な国政運営だ。李氏の任命について、文大統領不支持勢力は最後まで大多数(83%)が否定的だったが、彼らを説得しようという努力はほとんどなかった。無論文大統領の支持層、反対層がいずれも納得するような候補者が立てられたわけではなかった。このほか、中小ベンチャー企業部(省に相当)の朴映宣(パク・ヨンソン)長官、金錬鉄(キム・ヨンチョル)統一部長官の任命に関しても、文大統領の支持層は82%が賛成したが、不支持層は81%が反対だった。ここでも反対派の意見は徹底的に無視された。所得主導成長に関しても、今年2月にエムブレーンが実施した調査で、文大統領の支持層は「引き続き推進」(64%)が多数だったのに対し、不支持層は「見直しまたは再検討」(85%)が圧倒的だった。政府は経済政策も支持層の意見ばかりを聞いている。

 与党は20年、50年、100年の政権担当論をぶち上げたかと思えば、最近は総選挙で300議席中260議席を獲得すると言いだした。こうしたとんでもない発言を繰り返すのも支持層の結束にしか関心がないためだ。その過程で政府の考えに同意しない国民はまずます疎外されている。原則を無視する世論調査と一方の意見だけを聞くという権力が韓国社会をさらに分裂させている。

洪永林(ホン・ヨンリム)世論調査専門記者

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