【社説】兵役拒否は100%無罪、これが分断国家の安全保障か

 韓国・大田地裁は先日、銃を持って戦闘を行うインターネットのゲームをしてきた20代の兵役拒否男性に対し「真正な良心に基づく兵役拒否」とするその主張を認めて無罪を言い渡したという。この男性は「執銃(銃を携帯すること)を認めない宗教的教えに従い兵役を拒否した」と主張していた。銃を使って他人を殺害するゲームを楽しみながら「執銃拒否」を訴えるのはどう考えても矛盾している。大法院(最高裁に相当)も「兵役拒否者が状況によって自分の主張とは違った行動を取るのであれば、その主張や信念は真実とは言えない」との判断を下しており、またその宗教団体も暴力的なゲームには注意するよう教えているという。男性は「幼い時に一時的にやったこと」と弁解しているが、それでもこの男性に対して「良心」とは何か、あるいは「良心」を自分の都合が良いように利用しているだけではないのか、ぜひとも問いただしたいものだ。

 入隊通知書を受け取る11日前に宗教団体の信徒となり、兵役を拒否した男性にも無罪が宣告された。また「兵務庁が主管する代替服務は受け入れられない」として兵役に代わる勤務まで拒否した男性にも無罪が宣告された。ここ5カ月間に行われた「良心的兵役拒否」を巡る一審と二審の裁判135件のうち、有罪は1件もなかった。逆に一審と二審で無罪が宣告され、大法院での裁判中に被告自ら考えを変えて兵役に応じたケースもあったという。これでは兵役拒否者を洗い出すべき裁判所の裁判がまともに行われているのか疑わざるを得ない。もしかすると機械的に無罪判決を乱発しているだけではないのか。

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