【コラム】「金正恩が最も恐れる大統領になります」

 韓国の現政権の外交は、こうした常識を破壊している。最大の味方である米国との同盟から揺らいでいる。文在寅大統領が「韓米は朝米対話の早期再開のため共に努力することとした」と表明した翌日、トランプ大統領は「(米朝対話を)急ぎたくはない。急ぐ必要はない」と発言した。文大統領が要請していた開城工業団地と金剛山観光再開は面前で拒否された。民主主義と市場の価値を共有する日本との関係は史上最悪だ。光復(日本の植民地支配からの解放)以来70年以上たったのに、現政権はまだ抗日運動中だ。中国に対しては、THAAD(高高度防衛ミサイル)問題で「THAADを追加配備せず」「米国のミサイル防衛(MD)に参加せず」「米韓日の3カ国軍事同盟化を行わず」という、いわゆる「三不」を約して主権まで譲歩したが、露骨に無視された。国賓待遇で訪中した文大統領は「一人飯」する羽目になり、大統領特使は2度も下座に着いて習近平主席と会った。北朝鮮の核はそのままなのに、味方の拡大はおろか、今いる味方とも疎遠になっている。金正恩委員長が、北ばかり眺めて孤立する韓国を恐れるはずがない。4月12日の施政演説で文大統領に向けて「出しゃばりの促進者、仲裁者のふりをやめろ」と言ったのは、なんとなく出てきた発言ではない。

 文大統領は2年前、大統領選を控えて、ソーシャルメディアに「金正恩が最も恐れる大統領になります。米国が最も信頼する大統領になります。中国が最も信じるに値する大統領になります」と書き込んだ。今はどうか。

アン・ヨンヒョン論説委員

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