関係改善の流れに水を差す文大統領の安倍首相批判に元大使から懸念の声

「韓日、過去の不幸な歴史…絶えず問題派生で時に気まずく」

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が2日、「日本は過去の歴史問題をしきりに国内政治に利用して問題を増幅させる傾向があるようで、非常に残念だ」と語った。新天皇即位と大阪で行われる主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を機に、わずかながら韓日関係改善の兆しが見られる状況で、文大統領は日本の安倍晋三首相を念頭に直撃弾を打ったのだ。

 文大統領は同日、識者らとの昼食懇談会で、「(韓日間には)過去に不幸な歴史があったため、絶えず派生する問題が起こっており、そのため両国関係が時に気まずくなるのは事実だ」とした上で、このように述べた。李鍾賛(イ・ジョンチャン)友堂奨学会理事長が「日本は令和時代に変わるなど、新たな転換点を探っている」として、関係改善が必要だと助言したことに対する回答だった。文大統領はこの前に、「(日本は)韓国の安全保障のためにも必要で、経済、未来発展のあらゆることのためにも日本と良い関係を結ばなければならない」とも言っていたが、日本批判に重点を置いた。

 外交関係者の間では、韓日外交当局が6月に大阪で開催されるG20サミットを機に首脳会談を推進している中、文大統領が日本を「あえて批判」したことを意外だと受け止めている様子だ。一部には、「首脳会談が行われても、2011年12月に李明博(イ・ミョンバク)大統領と野田佳彦首相=当時=が正面衝突した京都サミットが今回の大阪で再現されるのでは」という懸念もある。ある元大使は、「大統領が相手国の首脳を直接批判して外交的に問題を解決できるだろうか。この状況なら首脳会談はしない方がいいと言える」と述べた。

 一方、安倍首相は1日、産経新聞のインタビューで、「条件を付けずに北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と会い、虚心坦懐(たんかい)に話し合いたい」「(金正恩委員長は)戦略的に判断できる指導者と期待する」と述べた。しかし、朝鮮労働党機関紙の労働新聞は同日、日本に対して「極悪非道な殺人魔、人間屠殺人の群れ」「(日本の帝国主義時代は)いくら歳月が流れても絶対に消すことができないだろう」と書いた。

キム・ギョンファ記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい