韓国政府も北朝鮮の出稼ぎ労働者や脱北者の人権問題から顔を背けている。つい先日、ベトナムでは脱北者たちが韓国大使館に助けを求めたが、大使館が必要な対応を怠ったため彼らはベトナムから追放された。中国でも10歳の子供を含む7人の脱北者が公安(警察)に身柄を拘束され、北朝鮮に強制送還される危機に直面している。韓国政府は国連で欧州連合(EU)や日本と共に北朝鮮人権決議案の共同提案国だったが、最近はここからも手を引いた。北朝鮮人権財団は正式に発足もできないままオフィスが閉鎖され、北朝鮮人権国際協力大使は1年にわたり空席状態が続いている。これでは「北朝鮮の顔色をうかがい北朝鮮の人権問題を見て見ぬふりをしている」などと批判されるのも当然だ。
金正恩氏の暴政に耐えられなかった脱北者たちも、また金正恩氏の外貨稼ぎの手段に転落した出稼ぎ労働者たちも、いずれもわれわれが支援すべき人たちだ。韓国政府が顔を背ければ、彼らはもはや行くべき所がない。
政治部=ノ・ソクチョ記者