強制徴用:日本の波状攻撃に黙り込む韓国大統領府

 菅義偉官房長官も同日、南官杓大使と会い、「韓国政府の責任で問題を早く解決してほしい」と、自民党の二階俊博幹事長は記者会見で「相手の考えをよく聞いて、円満に友好的に話し合いをしていくのが基本だ」と述べた。安倍内閣は7月の参議院選挙を前に、国内政治のために、この問題を利用するという声もある。

■黙り込む大統領府…「外交的に解決を」

 韓国大統領府は、こうした日本の波状攻撃に正式なコメントを出していない。外交関係者の間では「仲裁委が実際に稼動する可能性は高くない」というのが大方の見方だ。韓日請求権協定によると、仲裁委の要求は相手国が受領した日から30日以内に両国が仲裁委員を選任することにより、設置するかどうかが決定される。韓国がこれに応じなければ、事実上の稼働は難しくなる。

 ただし、外交関係者の間では、慎重なアプローチを通じた「状況管理」が必要だという雰囲気が感じられる。外交部(省に相当)当局者は同日、「仲裁委の開催と外交的協議要求の両方に対して慎重に検討している」と述べた。仲裁委ではなく、別次元の協議の可能性も示唆したものと見られる。外交消息筋は「仲裁委や国際司法裁判所ではなく、別の層に外交的折衷点を見いだすのが最善だろう」と述べた。

 こうした中、韓日外相は23日、フランス・パリで行われる経済協力開発機構(OECD)年次閣僚理事会で会って会談を行う。外交部当局者は「強制徴用被害者問題をはじめとする相互の関心事項が幅広く話し合われるだろう」と述べた。これまで韓国政府は日本側の「政府間協議」要求に対して実質的に反応してこなかった。政府内の流れが変わっている可能性が見え隠れする。

東京=李河遠(イ・ハウォン)特派員 , 金慶和(キム・ギョンファ)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) Chosunonline.com>
関連ニュース
あわせて読みたい