【社説】韓国政府は米中どちらに与するかの前に「企業の味方」になれ

 トランプ米大統領は中国の情報技術(IT)企業について「彼らが我々(米国企業)よりうまく行くのを望んでいない」と語った。また、ファーウェイ(華為技術、Huawei)を「脅威と見なす」と言い、「私は5G(第5世代移動通信システム)を最優先課題としている。まもなく我々が(5G市場を)リードするだろう」とも語った。米国企業を中国などとの競争で勝たせるのが最優先事項だということだ。政府の力でライバル企業の芽を摘み、自国の産業を守るという考えをありのままに示したものだ。

 米中の覇権争いは、特定企業の死活をめぐる政府間の代理戦というこれまでになかった局面に入ろうとしている。米国は、シリコンバレーのライバルに浮上したファーウェイを殺そうとしており、中国政府はこれに激しく抵抗している。全世界が「ファーウェイか否か」の選択を強いられる新冷戦が繰り広げられている。ここまでして両大国がファーウェイ問題で互いの首を締めようとしているのは、ファーウェイという中核企業の価値が分かっているからだ。かつて紡績技術が英国を覇権国にしたように、今後は新技術を主導する国が未来産業はもちろん、安全保障・軍事分野の覇権まで握ることになる。産業技術は国の興亡盛衰を左右する重要な資源であり、技術力を決定するのは結局、企業だ。米国が中国のハイテク産業けん制に乗り出し、中国が総力を挙げて対抗しているのもこのためだ。

 自国産業と企業の保護に政府が乗り出すのは、米中だけでなくどの国でも同じだ。そうした流れから唯一、外れているのが韓国だ。ファーウェイ問題は「個々の企業の問題」だという韓国大統領府の見解表明は産業界を驚がくさせた。今、韓国のIT企業各社は米中双方から「こっちの味方になれ」と露骨に強要されている。まかり間違えば、個々の企業はもちろん、産業全体が揺らぐ恐れもある。それにもかかわらず、韓国政府は各企業に「自分で判断してやれ」と言っている。

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