第1回米朝首脳会談から1年、遺骨送還以外は進展なし

第1回米朝首脳会談から1年

シンガポールの北朝鮮大使館は1周年記念行事を前日に突然延期

 米国と北朝鮮がシンガポールで最初の首脳会談を行ってから1年が過ぎた。当時は「68年間にわたり敵対してきた米朝関係の新たな地平が開かれる」といった期待が大きかったが、その後の2月にベトナムで行われた2回目の米朝首脳会談が物別れに終わり、双方の態度は強硬なものに変わった。一方で「運転者」「仲裁者」を自認していた韓国も北朝鮮から相手にされず、実質的には何の役割も果たせていない。外交政策に詳しい識者からは「対話さえすれば北朝鮮を非核化に導けるという『対話への盲信』が失敗を生み出した」「最初の米朝首脳会談以降、北朝鮮の核能力はさらに高度化した」などの指摘が相次いでいる。

 第1回米朝首脳会談後の共同声明には▲米朝関係の正常化▲韓半島(朝鮮半島)平和体制の構築▲韓半島の完全な非核化▲米軍の遺骨発掘と送還-という四つの合意事項が含まれていた。うち米軍の遺骨については昨年8月に1回、計55柱が送還されただけで、それ以外は目に見えた成果はない。とりわけ北朝鮮は「非核化の前段階」として約束した核実験とミサイル発射の中断(モラトリアム)、そして東倉里のミサイル発射場閉鎖などを当初は実行に移すかに思われたが、結局はこれも覆した。これに対して韓米軍事同盟を支えてきた三つの合同軍事演習は米朝首脳会談後から大幅に縮小あるいは取りやめられた。峨山政策研究院の崔剛(チェ・ガン)副院長は「北朝鮮の小さな動きに韓国政府が大喜びし、非核化の意志を全面的に信頼したことが敗着」と指摘している。

 「世紀の首脳会談」に対する世界の関心と熱気も1年が過ぎた今、うそのように冷め切ってしまった。シンガポール駐在の北朝鮮大使館は11日、首脳会談が行われたセントーサ島のカペラ・ホテルで1周年記念行事を準備していたが、前日になって突然延期した。米国も特別な記念行事を開催する計画はないという。一部では「首脳会談から1周年の時期に文在寅(ムン・ジェイン)大統領が北欧を歴訪しているが、これも第1回米朝首脳会談の内容のなさを象徴している」などの指摘も相次いでいる。

 現在米国と北朝鮮は非核化や制裁解除、さらに体制保障などでどちらも相手側に「先に態度を改めよ」と要求している。魏聖洛(ウィ・ソンラク)元駐ロシア大使は「行き詰まり状態が解消される兆しが全く見られないことが問題だ」とした上で「北朝鮮が提示したデッドラインが近づいているが、双方の立場の違いは今なお大きく、たとえ年内に1回くらいは米朝間の接触が実現するとしても、一定の成果が出る可能性は小さいだろう」との見通しを示した。

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