【社説】米朝首脳会談を急ぐ文大統領、急がないトランプ大統領

 米国のトランプ大統領は昨日「私は時間が過ぎれば北朝鮮と非常にうまくやっていけると思う」とした上で「急ぐ必要はない」という言葉を4回も繰り返した。トランプ大統領は前日にも3回目の米朝首脳会談が開催される可能性について「あるかもしれないが、今度の機会にしたい」と述べた。

 北朝鮮はポンペオ国務長官や国務省のビーガン北朝鮮担当特別代表など、米国側の実務担当者からの呼び掛けには一切反応せず、ただトランプ大統領との関係だけを重視している。トランプ大統領は政治面での業績が何としても欲しいため、北朝鮮はシンガポールでの米朝首脳会談と同じく、トランプ大統領が自分たちの望む文書にサインすることを期待しているようだ。しかしトランプ大統領も2回の米朝首脳会談を通じて学習し、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が語る「非核化の意志」なるものがうそであることを理解した。トランプ大統領は「金正恩氏から温かい手紙を受け取った」と言葉では持ち上げているが、首脳会談については軽々しく応じようとしない。これも北朝鮮に対する制裁が続く限り、時間は米国の味方と信じているからだ。

 しかし韓国政府の考えは米国とは全く違う。北欧を歴訪中の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「金正恩国務委員長とトランプ大統領に対し、早い時期に再び会うよう促している」と語ると同時に、今月末に予定されているトランプ大統領来韓前に南北首脳会談を開きたい考えも示している。非核化を促す言葉は一切語らず、ただ「会うこと」だけにこだわっているのだ。今年4月の訪米のときも、文大統領は「近いうちに3回目の米朝首脳会談を開催すべきだ」と訴えたが、トランプ大統領から「急げば良い合意は得られないだろう」と逆に言い返された。北朝鮮は何も変わっていないにもかかわらず、ただ会うだけで問題が解決するのだろうか。要するに文大統領は「もう一度ショーをやりたい」と言っているにすぎないのだ。

 これに対する北朝鮮の反応も良くないというより、もはや冷たい。北朝鮮は開城工業団地にある南北連絡事務所の定例会議に3カ月以上応じていない。また北朝鮮は故・金大中(キム・デジュン)元大統領夫人の李姫鎬(イ・ヒホ)さんの葬儀に弔問団を派遣せず、板門店の北朝鮮側で金正恩氏からの弔電と花を受け取るよう韓国政府に伝えてきた。これに韓国大統領府の鄭義溶(チョン・ウィヨン)安保室長らが大喜びで駆け付けたが、南北首脳会談については特に話題にならなかったという。結果として韓国側の性急さ、軽さ、無責任さが浮き彫りになっただけだ。軽々しく「仲裁」を口にし意欲を示しても、今回のように北朝鮮から繰り返し無視されるだけだ。

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