【萬物相】居直り・逆ギレ…追い込まれると強気に出る孫恵園

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 2年前、米国で発表された心理学の論文で行った実験に、次のようなものがある。100組のカップルを募り、1週間にわたり恋人を疑ったことと、恋人以外の異性に心引かれたことの両方を記録させた結果、「恋人以外の異性に心引かれる人は、自分の恋人を疑う傾向がある」という結論に至ったという。恋人以外の異性に心引かれる人は、罪悪感を隠そうと、恋人に「浮気したのでは?」と問い詰める。おならをしたのは自分なのに、「おならをするなんて」と腹を立てる心理が実験で証明されたということだ。

 居直りや逆ギレが多い所と言えば政界だ。大物政治家の居直りの数々が政治史の局面を変えたこともある。金泳三(キム・ヨンサム)元大統領は自身が署名した内閣制改憲合意文が公になるや、「流出の真相を明らかにせよ」と慶尚南道馬山に下り蟄居した。金大中(キム・デジュン)元大統領は政界引退後に復帰し、「民族の運命が重大な岐路に立っているのに、与野党が自分の役割を果たせていない」と一喝した。気力で負けられない厳しい闘いの中では、ある程度の居直りは理解できる面もある。

 韓国の政界には最近、明らかな過ちを覆い隠そうという、くだらない居直りばかりがあふれている。ある与党議員は空港で「身分証明書を見せてほしい」と言われて、「規定集を持って来い」と怒鳴りつけ、「職員に高圧的な態度を取られた」と言った。与党の総選挙戦略を立てているとされる大統領側近は、国家情報院院長との不適切な会合が報道されると、「こっそり後を付けて何を知ろうとしているのか」と、メディアを「パパラッチ」扱いした。番組に出演し、「韓米首脳の電話会談の録音を手に入れた」と主張していた元議員は、「虚偽事実の流布に法的対応を取る」と言った。

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