東京都内の公園、土壌放射能測定値・空気中の濃度はソウルと大差なし

韓国与党議員「東京の放射能は基準値の4倍」として渡航禁止を求めるが

 韓国与党・共に民主党の崔宰誠(チェ・ジェソン)議員は5日、あるラジオ番組で「最近は東京で放射性物質が基準値の4倍以上検出されている」と発言した。これが事実であれば、東京への旅行は自制どころではなく禁止しなければならない。

 本紙が確認したところ、崔議員の発言は日本のあるブログが先月東京都内のある公園で土壌の放射能を測定した数値を引用したものだという。ブログによると、このブログ主が公園内の15カ所を掘り起こしたところ、4カ所で基準値(4万ベクレル)を超え、ある場所では最大で7万7000ベクレルを記録し、基準値のおよそ2倍に達していた。11カ所では基準値を下回っていた。

 韓国のある大学の原子力学科の教授は「放射線に露出される危険度を正確に確認するには、土壌ではなく空気を測定しなければならない」「土壌は放射性物質が一部に沈殿し、人体への影響をすぐに確認するのは難しい」と指摘した。この教授はさらに「地上1メートルの高さで大気中の放射線量を測定した方がはるかに正確だ」とも説明した。

 日本原子力規制委員会によると、この日午後に東京都内の新宿区、大田区など五つの地点における放射線量の値は、1時間当たり最大で0.036マイクロシーベルト、最低は0.028マイクロシーベルトで、いずれも正常範囲(0.05-0.3マイクロシーベルト)の自然発生する放射線レベル以下だった。ソウル市内とも大きな差はない。同じ時間に韓国の原子力規制機関である原子力安全委員会が測定したデータによると、ソウル市内の大気中における放射線の値は、各区の平均で0.119マイクロシーベルトだった。韓国のある原子力専門家は「平時に0.1マイクロシーベルト前後であれば何の異常もないレベルの濃度」と説明した。ソウルと東京の大気中の放射線量はいずれも問題がないということだ。

 別の原子力専門家は「崔議員の発言は、日本政府による無理なオリンピック広報を批判したものという点では理解できる」とコメントした。日本の安倍首相は来年開催される東京オリンピックの際、選手村に福島県産の農産物を使用し、野球とソフトボールの一部を福島郊外で行う考えを表明している。

 これに対して米国の時事週刊誌「ザ・ネーション」は「福島原発のある地域で大気中の放射線量を測定したところ、安全基準とされる0.23マイクロシーベルトの2倍となる0.46マイクロシーベルトを記録した」「日本の政治家たちは福島が放射線について安全だと宣伝しているが、実際に現場を訪れた結果はそうではなかった」と指摘した。

チェ・インジュン記者
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