また映画で…歴史教育を強化するソウル教育庁

慰安婦問題をテーマとするドキュメンタリー映画2本

映画館を貸し切り団体観覧を推進

 2学期が始まってから9月中をめどに、ソウル市教育庁が日本軍慰安婦問題を取り扱ったドキュメンタリー映画「主戦場」と「キム・ボクトン」を小中高校の児童・生徒や教師らに団体で鑑賞できるようにするなど、韓日対立を巡る契機授業を行う方針を明らかにした。教育庁の予算でソウル市内の映画館を借り受け、無料で映画を見られるようにする。ソウル市教育庁は今年6月にも5・18光州民主化運動を題材とした映画「キムグン」の上映会を主催し、鑑賞を申し込んだ教師や児童・生徒など500人が実際に映画を見た。ソウル市教育庁は今後小中高校に文書を送り、2学期が始まってから韓日の歴史関連契機授業を実施するよう案内する計画であることを18日に発表した。契機授業とは歴史的な事件や社会的問題などを契機として実施する一種の特別授業だ。

 映画「主戦場」は日系米国人のミキ・デザキ監督が3年かけて韓国、日本、米国を行き来しながら慰安婦問題の関係者30人以上にインタビューを行ったドキュメンタリー映画だ。今年の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日、8月15日)を前に、姜琪正(カン・キジョン)政務首席をはじめとする韓国大統領府の職員らが鑑賞し話題になった。映画「キム・ボクトン」は国連人権委員会で慰安婦被害事実について証言した故・金福童(キム・ボクトン)=1926-2019=氏を描いた映画だ。旅客船「セウォル号」沈没1周忌のドキュメンタリー映画「残酷なセウォル、国家のうそ」の監督だったソン・ウォングン氏が監督を務めた。契機授業には日帝による強制徴用問題、1965年の韓日請求権協定締結、大法院(最高裁に相当)による強制徴用賠償判決などを巡る討論授業なども含まれる。韓国教員団体総連合会(教総)は「映画には製作の意図などがどうしても反映されるため、映画による教育は慎重に行うべきだ」とコメントした。

パク・セミ記者
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