韓国観光客、ベネチアの悪夢

 ベネチア警察は韓国人観光客の主張が事実とは異なるとの立場だ。外交部関係者は「ベネチア警察は韓国人が公務執行を妨害し、適法な手順い沿って物理的な力を行使したと主張している」と明かした。

 KさんとYさんのように、海外旅行中に強盗や窃盗、事故などに遭う事例は増えている。しかし、旅行客が現地で被害の救済を受ける方法は整っておらず、対策が求められている。外交部によると、2017年に海外で韓国人の事件・事故被害者は1万2529人に達する。14年には5952人だった。3年で2倍以上に増えたことになる。窃盗被害者が9813人で大半だったが、強盗(185人)、性的暴行・わいせつ行為(118人)、殺人(7人)など悪質な犯罪の標的になったケースもかなりあった。特に欧州での事件・事故被害者は5249人で、中国、日本などアジア太平洋地域(5193人)、米国・カナダなど米州地域(1955人)に比べ多かった。10年以上欧州への旅行商品を販売している旅行会社関係者は「現地警察が介入して解決したケースを見たことがなく、外交部に支援要請があっても制約が多く、解決をあきらめなければならない」と話した。

 英国永住権を持ち、韓国と英国を往来するAさん(47)は今年5月13日、英ロンドンで最近増えているという「偽警官」に900ユーロ(約10万6000円)を奪われた。Aさんは夫のBさん(47)と一緒にウォータールー駅付近の宿泊施設に向かう途中、路地で若い男が近寄ってきて、「警察だ。麻薬をやっているように見えるが、連行されたくなかったらカネを払え」と話しかけてきた。結局夫婦は手持ちの900ユーロを渡した。Aさんは「観光客が英国警察に届け出たところで解決は難しいので、届けは出さなかった」と話した。

ピョ・テジュン記者
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