月探査また2年延期…遠のく韓国の宇宙開発

 政府が月探査に消極的なことから、月探査の主体である航空宇宙研究院内部でも混乱が起きている。月探査事業団は昨年ようやく衛星研究本部傘下に入った。月軌道船は人工衛星技術を基礎とするもので、人工衛星専門家との協力が不可欠だ。政府が無関心でいる状況で、開発を主導する航空宇宙研究院内のプロジェクト主導権争いにより、技術開発が事実上、置き去りにされているということだ。その間に部品が追加されて月軌道船の重量が増え、来年の打ち上げを予定通り行うことができない状況に至った。政府は遅ればせながら今年1月になって外部点検評価団を設立したが、その結果、今回重要な設計を変更して打ち上げ日程を遅らせることになった。

 月探査費用も増えるものと見られる。当初は来年末までに米国の宇宙船関連企業「スペースX」の「ファルコン9」ロケットを再利用して軌道船を打ち上げる計画だった。だが、軌道船の重量が増えればロケット打ち上げ費用も増える。科学技術情報通信部は「現在、当局・関係者と協議しており、約167億ウォン(約15億円)かかるものと予想している」と明らかにした。このため、当初1978億2000万ウォン(約178億6000万円)だった事業費が2000億ウォン(約180億6000万円)を上回ることになった。

 月軌道船の運用軌道が変更となったことから、高解像度カメラや月磁場測定器など5つの機器と、米航空宇宙局(NASA)が開発したカメラなど、搭載機器6つもきちんと活用できるかどうか疑問だ。

ユ・ジハン記者
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  • ▲韓国が打ち上げた月着陸船=イラスト右=と探査ロボット=同左=が、太極旗が立てられている月面にある様子を描いた想像図。イラスト=韓国航空宇宙研究院

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