非武装地帯のイノシシがアフリカ豚コレラに感染、韓国軍が防疫へ

鉄の策は破れないと説明していた韓国軍が後手の対応

飛行禁止区域のため北にも通告

 非武装地帯(DMZ)で発見された野生のイノシシの死骸からアフリカ豚コレラのウイルスが発見されたことを受け、韓国軍は4日から民間人の立入りが制限されている全ての地域でヘリを使った対策に乗り出すことにした。

 韓国国防部(省に相当)の関係者は「農林畜産食品部(省に相当)や山林庁などの関係機関と協力し、アフリカ豚コレラが発生した京畿道漣川郡とその周辺のDMZを対象にヘリを使った薬剤の散布をはじめた」と明らかにした。韓国軍はこれまで「北朝鮮のイノシシは一般哨所(GOP)の鉄策を越えられない」と主張してきたが、アフリカ豚コレラが北朝鮮のイノシシから感染したという証拠が確認されたため、韓国軍も重い腰を上げた。韓国軍はこの日午後3時30分からヘリを使って薬剤の散布などを行い、これを今後一週間、DMZを含む民間人統制地域より北側の全ての地域で行う計画だ。国防部は「今回の対策は、今月2日にDMZで野生のイノシシからアフリカ豚コレラのウイルスがはじめて発見されたことから、野生のイノシシを通じた2次感染を防ぐためだ」と説明した。

 DMZにおけるヘリを使った薬剤散布は国連軍司令部との協議を通じて行われる。またDMZ周辺は9・19軍事合意によって飛行禁止区域となっているため、今回の措置については北朝鮮側にも通告する。上記の国防部関係者は「野生のイノシシがDMZや漢江河口の韓国側地域にやって来た場合、現場で捕獲あるいは射殺するなど直ちに対応する指針を6月に下達した」と明らかにした。

梁昇植(ヤン・スンシク)記者
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