韓国与党シンクタンク、3カ月前から志願制導入研究…選挙公約として検討

急減した20代男性票狙い分析

党内では「時期尚早」意見も

 韓国与党・共に民主党が来年4月15日の総選挙公約に「志願制導入」を検討することが分かった。人口が急激に減少する「人口の絶壁」で徴兵制が限界に直面している上、現代の戦闘が科学戦の形態に変化しつつあることに対処する必要があるとの趣旨からだ。

 与党関係者は6日、本紙の電話取材に「党のシンクタンクである民主研究院が志願制転換を研究してきただけに、党公約として提案してきたら検討に入る計画だ」と語った。民主研究院はこの約3カ月、志願制への段階的転換が必要だという趣旨の研究を進めてきたという。民主研究院関係者は「志願制公約は当研究院の次元で深く検討してきた事案だ。いつから兵士を減らしていくのかなど細部の事案は党総選挙企画団や政策委員会などの議論が必要だ」と語った。志願制提案は民主研究院の楊正哲(ヤン・ジョンチョル)院長の意向が相当部分反映されているという。

 民主研究院は以前、「軍人材構造の問題点と発展方向」という報告書でも、「全世界的に軍の人材体制は志願制が徴兵制に取って代わっていく傾向にある」と言及していた。

 与党は志願制導入の表向きの理由に「人口減少と人工知能(AI)時代に合った軍システム改編」などを挙げているが、実際には与党支持率が最近下がっている20代男性の票を狙ったものだという見方もある。兵役に関連しては選挙のたびに「破格の公約」が掲げられてきた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領も大統領選挙公約で兵役期間の短縮を掲げ、21カ月間から18カ月間に兵役期間が減少した。

 ただし、志願制導入は党レベルでは具体的な議論が行われていない状態だ。共に民主党政策委員会関係者は「長期的に推進する課題だということは明らかだが、時期尚早という意見も少なくない」としている。政府も「志願制は長期的な課題だ」という原論的立場だ。鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防部長官は今年9月の国会対政府質問で、「(志願制転換は)長期的に検討しなければならないという認識を共にしている」と答えた。

 南北分断の状況で志願制に転換すれば安保上の不安につながる可能性があるだけでなく、莫大(ばくだい)な財政負担という山も乗り越えなければならない。志願制転換などのためには兵役法改正が必要で、これには野党の協力も欠かせない。

キム・ドンハ記者
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