「韓日が笑顔で協力することこそ李秀賢さんが夢見た姿」

釜山で18周忌追悼行事

両国の大学生ら約80人が参列、日本総領事邸で映像上映

 「忘れたくない人、忘れてはならない人…」

 16日午後5時、明かりが消えた駐釜山日本国総領事館(釜山市水営区)の総領事邸で、映像3本が相次いで上映された。映像の主人公は2001年にJR新大久保駅で線路に転落した日本人を救おうとして亡くなった韓国人留学生・李秀賢(イ・スヒョン)さんだった。映像には故人の墓石を掃除する韓日両国の大学生の様子などが写っていた。

 この日の発表会は、「美しい青年・李秀賢の会」設立10周年を記念し、18周忌を迎えた李秀賢さんを追悼するため、日本領事館と釜山韓日文化交流協会が企画した。韓日の大学生30人や両国関係者ら約50人が参加した。すべての費用は、このところ韓日確執の渦中にある日本領事館側が負担した。日本領事館は韓国の大学生らによる官邸占拠デモや、全国民主労働組合総連盟(民労総)が先頭に立つ強制徴用労働者像設置デモといった反日デモの主な対象になってきた。

 丸山浩平・釜山総領事は「今日の行事は、あらためて李秀賢さんという方のことを思わせる。韓国と日本が笑顔で協力し、国際社会に貢献することこそ、李秀賢さんが夢見ていた姿だろう」と語った。

 「美しい青年・李秀賢の会」は2010年、両国の若者たちの交流と和解を望んだ民辻秀逸・元釜山総領事が釜山韓日文化交流協会に提案して始まった。それ以降、領事館と協会は共に両国の学生の交流を支援している。

 映像制作に参加したノ・ヒチャン韓日青年交流会会長(26)は「韓日の国民のほとんどは、民間交流が政治と切り離されて続けられるべきだと考える」と語った。昨年から、「美しい青年・李秀賢の会」に参加している日本人大学生オヒガシ・アンナさん(21)は「今回の映像が韓国と日本をつなぐきずなになれば」と言った。映像は今月末、釜山韓日文化交流協会のホームページや動画共有サイト「ユーチューブ」などで公開される予定だ。

 オ・ギョンハ釜山国際関係大使は「今日の映像を見ると、34年間職業外交官をしている私よりも韓日の学生たちの方が立派な民間外交官役を果たしているようだ。李秀賢さんのことを忘れないようにする努力が両国和合の足がかりになるだろう」と語った。

釜山=キム・ジュンホ記者
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