心療内科受診を嫌う韓国人、自殺率はOECD1位・治療薬服用は最下位 

 経済状況の悪化はうつ病と並んで自殺の大きな要因の一つだが、単に社会のセーフティーネットを拡充するだけでは不十分との指摘も相次いでいる。警察庁が保守系野党・自由韓国党の金度邑(キム・ドウプ)議員に提出した資料によると、経済的な理由による自殺者数は2016年には3043人だったが、18年には3390人に増えた。これは周囲よりも貧しくなったからではなく、以前よりも貧しくなったことで挫折し、自殺に至ったケースが多かったからだ。

 中央心理剖検センターの所長を務めるチョン・ホンジン医師は「絶対貧困など環境が困難な場合よりも、周囲と比べればまだ決して悪くもないのに急激な変化を受け入れられず、最終的に自殺に至る傾向が見られる」と説明する。中でも家族関係や経済的な問題などで荷が重くなる中高年、とりわけ40代男性が自殺を選択するケースが目立っている。40代男性の自殺率は2017年には38.7人だったが、昨年は45.35人と17.31%も増加し、男性の全年齢層の中で最も高かった。

■自殺率を下げるには国としての努力も必要

 韓国がOECDに加盟した1996年の自殺率は15.2人で、当時の加盟国の中では11位だった。しかし韓国ではその後自殺率が全体的に上昇傾向となり、2003年から16年まで14年連続で「OECDにおける自殺率1位国家」という不名誉な記録を残した。

 昨年OECDに加盟したリトアニアと韓国を除けば、OECDに自殺率が20人台の国はない。逆に1996年の時点で韓国よりも自殺率が高かったフィンランド(1996年24人→2016年13.9人)やスイス(同20.1人→11.2人)などは国の対策もあって自殺率が下がった。権俊寿理事長によると、先進国では患者が心療内科の治療を受けられるよう誘導し、自殺未遂者などにはその後の対応にも力を入れているため、自殺率は緩やかな低下傾向にあるという。

クォン・ソクウ記者
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