【コラム】北朝鮮への復讐、ユダヤ人のやり方

 家族のたゆまぬ努力で、北朝鮮制裁を拡大・義務化するいわゆる「オットー・ワームビア法案」が、連邦議会上下両院の合意した2020年国防授権法に反映された。この法案は、定められた数量以上の石炭、鉱物、繊維、原油、石油製品の輸出入を北朝鮮との間で行った場合、義務的に制裁を科するよう定めた。また、北朝鮮制裁の対象になった個人と取引する海外金融機関に対しては米国内の資産を凍結し、口座の開設を制限するようにした。輸出入業者だけでなく金融機関がわが身を惜しむことで、北朝鮮としては制裁回避が一段と難しくなるのは避けられない。

 またワームビア家は昨年末、北朝鮮が自分たちにおよそ5億ドル(約550億円)を賠償しなければならないとする判決を米国の裁判所で受けた。もちろん、米国の判決に北朝鮮が応じる可能性は全くない。しかしワームビア家はこの判決を根拠に、全世界に隠されてる北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)の秘密資金を追跡し、差し押さえることができる。仮に北朝鮮制裁が緩和されても、ワームビア家が北朝鮮の収益金に対する訴訟を起こしたら、北朝鮮の合弁企業はつらいことになりかねない。

 これまでワームビア家が行ってきた北朝鮮圧迫は、韓国歴代のいかなる政権もやってのけることができなかったレベルだ。ワームビア家の緻密さに、北朝鮮もなすすべなくやられているのだ。今やワームビア家は世界を回り、北朝鮮の金正恩政権の野蛮さを暴露している。ひょっとすると歴史は、「22歳のユダヤ人青年の不幸な死が北朝鮮民主化の呼び水となった」と記録するかもしれない。

趙儀俊(チョ・ウィジュン)ワシントン特派員

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