【コラム】韓国史の教科書がこんなことになっているのをご存じですか

 このように韓国の過去およそ50年の歴史に厳しい物差しを当てがうのであれば、3代世襲や住民弾圧、経済破綻などでもっと大きな失策を犯した北朝鮮に対しては、さらに厳しい評価を下し、指摘せねばならないのは常識だ。しかし、そうはしなかった。北朝鮮の政権は国際的孤立の中でも「自立経済」と「社会主義経済建設」を推進してきたとして、とりわけ金正恩(キム・ジョンウン)政権は「強盛国家建設」を模索している-と記述した。北朝鮮の核開発については「それに伴う国際的な経済制裁を受けた」くらいの記述にとどまり、それが韓半島の平和にもたらす脅威や緊張の悪化といった難点はきちんと書かなかった。

 韓国民族史の輝ける場面や誇らしさを教え、試行錯誤や誤りを顧みる教科書を見つけることはできなかった。三国時代や統一新羅時代、高麗時代、朝鮮王朝時代を大幅に縮小したことで、子どもたちがきちんと接するのは難しくなった。現代史の部分は、国民を弾圧する政府、労働者を苦しめる悪徳企業の話でいっぱいだ。こんな教科書で歴史を学んで育った生徒たちが目にする韓国社会は、憤怒と憎悪、被害意識、羞恥に満ちたものになることは避けられないだろう。

パク・セミ社会政策部記者
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