ワシントンとNYを同時に狙う北の多弾頭ICBM、日本を越えて太平洋へ発射の可能性も

■SLBMや衛星攻撃ミサイルの可能性も

 北朝鮮はSLBMを「水中戦略弾道弾」と表現している。このため、新型SLBMが北朝鮮と言う「新たな戦略武器」である可能性がある。北朝鮮は昨年10月初め、「北極星-3型」新型SLBMの発射実験に成功した。しかし、潜水艦ではなく、水中のバージ船から発射されたため、まだ本格的な戦力化には至っていない。とはいえ、進水が近いとされる3000トン級潜水艦に実際に北極星-3型を搭載し、水中発射する可能性がある。それに成功すれば、ひそかな行動で米日を攻撃できる戦略的能力が立証される。特に日本列島を越え、2000キロメートル前後の飛行距離が達成されれば、米日に大きな衝撃となる。これまで北朝鮮のSLBMは全て高角で発射され、日本列島を越えたことはない。新型3000トン級潜水艦は北極星-3型SLBM3発を搭載できる新たな戦略武器だ。金正恩が言う「新たな戦略武器」が潜水艦である可能性もある。

 このほか、固体燃料エンジンを装着した新型ICBM、衛星攻撃用弾道ミサイルの発射可能性も指摘されている。固体燃料は事前の燃料注入時間が必要な液体燃料とは異なり、即時発射が可能性で、奇襲的な発射能力が優れている。これまでに開発された北朝鮮の固体燃料ミサイルでは北極星-2型(射程距離2000キロメートル)の射程が最も長い。

 衛星攻撃ミサイルは地上から数百メートル上空の偵察衛星など低軌道衛星を直接攻撃可能だ。韓国航空大学航空宇宙機械工学部の張泳根(チャン・ヨングン)教授は「一定の軌道で動く衛星を攻撃することは弾道ミサイルの迎撃よりも容易だ。北朝鮮が衛星攻撃ミサイルを開発すれば、100基を超える軍事衛星を保有する米国は緊張することになるだろう」と述べた。

 韓国軍当局はこれまで偵察衛星を搭載した新型長距離ロケットが発射される可能性があるとみていた。しかし、金正恩による今回の言及でその可能性は低くなった。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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