檀国大構内に韓国政府批判の壁新聞掲示、建造物侵入罪で起訴

 キムさんはこの日、本紙の電話取材に「現政権を批判したという理由で悔しくも追い込まれた。正式な裁判を請求して潔白を証明したい」と語った。そして、「学校に入った時、車の遮断機が自動的に開き、建物のドアも開いていたので、すぐに入って壁新聞を張った。立ち入りを阻まれながら無理やり入ったわけでもないし、窃盗や器物損壊など別の犯罪をしてもいない」と言った。

 今回の事件の当事者である大学側も「私たちが犯罪行為だと考えて通報したわけでもないし、別に被害を受けたという事実もない。政治色を帯びた壁新聞でも表現の自由があるのでむやみにはがすことはない。大学キャンパスには近隣住民をはじめ、営業担当者や配達員などさまざまな人が制約なしに出入りするが、建造物侵入罪とされるなんて理解できない」と話す。檀国大学の学生チェさん(23)は「政治に関心を持ち、自分の意見を表現する自由は誰もが享受できる権利だ。大学キャンパスに単に壁新聞を張る行為に対して、名誉毀損(きそん)でもなく不法侵入罪を問うなんて、常識からみても理解できない」と語った。

 昨年5月、ソウル市中区のプレスセンターでビラをまいた全大協所属のキム・ジョンシクさん(33)も建造物侵入容疑で警察に立件された。キム・ジョンシクさんは昨年5月23日午前7時ごろ、プレスセンターの19階の窓から外にビラ500枚をまいた。ビラには映画『アベンジャーズ』の悪役サノスと文在寅大統領の顔を合成した写真が印刷されていた。また、脱原発や公捜処など政府の主要政策を批判する文言もあった。キム・ジョンシクさんは近く起訴意見付きで送検される予定だ。プレスセンターは、レストラン・商店・オフィスなどが入居している複合ビルで、檀国大学キャンパスと同様、誰でも出入りできる。警察は「プレスセンターの建物を管理するソウル新聞施設総合管理部が通報してきたため、処理したものだ」との見解だ。これに対してキム・ジョンシクさんは「ビラをまきに行ったプレスセンター内はすべて開放されていた」と主張している。

天安=キム・ソクモ記者
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