【コラム】シリコンバレーから見た韓国

 最近米国で急速に伸びているカーシェアリングサービスはトゥーロ(Turo)だ。近隣の自家用車をアプリで予約して利用するサービスで、レンタカーよりも料金が30%以上安く、さまざまな車種を好きなように借りられるのも面白い。アプリを起動してみると、周囲にはテスラ、マセラティなどの高級車が1日100ドルにも満たない料金で掲載されていた。オーナーは駐車場に車を遊ばせておくのではなく、他人に車を貸すことでローンの支払いに充てられる。保険会社もバックアップしてくれる。真の意味での「カーシェアリング」だ。

 後発走者である韓国のカーシェアリングサービスは形だけのシェアだ。「タダ」は起亜カーニバルを数百台買い、既存の法律の虚を突き、営業免許なしで運行している事実上の「疑似高級タクシー」にすぎない。今年導入するというサービスも消費者には当然の権利である「乗車拒否根絶」「親切」を掲げ、さらに高い料金を取る高級タクシーだけだ。「有償運送はタクシーに限る」とする枠組みから脱することができないためだ。ウーバーや中国の滴滴出行、東南アジアのグラブはいずれも個人の自家用車でサービスを提供する。どの国でもタクシーの反発はある。しかし、消費者の利益になることなので、まずは導入してみて、問題点を徐々に修正している。韓国のカーシェアリング業者は研究開発ではなく、タクシー車両の購入にカネをつぎ込んでいる。スタートも遅いが、さらに遠回りしている。

 新年を迎えたが、韓国では過去と政治のニュースばかりだ。チャーチルの言葉のように、現在と過去がぶつかり、未来が死にゆく状況だ。

朴淳燦(パク・スンチャン)シリコンバレー特派員

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