【コラム】韓国経済、スペインに再び負けるのか

【コラム】韓国経済、スペインに再び負けるのか

 欧州で今、韓国と似た道を歩んでいる国がスペインだ。2018年6月に右派政権が腐敗スキャンダルで突然崩壊した。与党国民党幹部が企業から不正な資金提供を受けた疑惑が広がり、野党が団結し、マリアーノ・ラホイ首相に対する不信任案を可決させ、政権の座から引きずり下ろしたのだ。

 7年ぶりに政権をつかんだ左派政権はそれなりに人気がある。社会労働党のペドロ・サンチェス首相は国民党政権が公務員削減、年金支給額削減で財政再建に取り組む間、国民が疲弊していたことを知っている。昨年最低賃金を一気に22%引き上げ、国民の歓心を買った。国民党が海外投資を増やそうと力を入れた労働改革も次々と白紙化した。再び財政出動も開始した。前政権とは全く逆方向に船首を向けた。

 議会の過半数に満たない与党が小規模政党を必死に束ねようとしていることも韓国と共通している。社会労働党と協調する極左政党ポデモスはエネルギーの国有化、家賃の引き上げ制限といった過激な政策を求めている。さらに左傾化することが避けられない状況だ。それだけではない。ポデモスでも過半数に届かず、社会労働党はバスクやカタルーニャの分離独立を目指す少数政党にも手を差し伸べている。権力を維持するのに血眼になり、国が割れる可能性が高まるのを放置している。韓国の政権与党が小政党を組み入れた「4プラス1」協議体で選挙のルールを変えた動きを連想させる。

 スペインは欧州の国々で規模からみても韓国と最も近い。昨年時点で人口は4660万人、国内総生産(GDP)は1620兆ウォン、韓国は人口が5120万人、GDPは1880兆ウォンだ。韓国がスペインをやや上回っているが、それはごく最近のことだ。経済規模は13年、1人当たりGDPは15年に韓国がスペインを抜いた。50年前にはスペインの経済規模が約5倍だったが、奇跡のように追いついた。16世紀の無敵艦隊で世界に号令していたスペインを韓国が上回ったのは歴史上で初めてのことだ。

 スペインは観光、建築、金融でも知られる。しかし、スペイン人は昼寝をし、深夜まで余興を楽しむほか、サムスンのような世界的なテクノロジー企業もない国だ。一度追い越してしまえば、格差は広がるのが当然だ。しかし、残念なことに文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足した17年をピークにスペインとの格差は急速に縮まっている。国際通貨基金(IMF)によると、17年に韓国の1人当たりGDPはスペインを3169ドル上回ったが、今年は512ドル差に縮まる見通しだ。長い年月をかけて追い抜いたスペインに再び抜かれる危機を迎えている。両国の与党は国を左傾化させている共通点がある。あえて優劣を決めれば、正常な軌道から外れているのはスペインではなく、韓国であることは明らかに思える。

孫振碩(ソン・ジンソク)パリ特派員

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