親北団体に警備網破られた米大使公邸、韓国警察は依然「手ぶら警備」

 10日午前7時半ごろ、ソウル市中区の米駐韓大使公邸近くの貞洞ロータリーで、「ソウル民衆行動」という反米団体がハリー・ハリス駐韓大使を批判する記者会見を開いた。大使公邸の塀の端に位置する地点だ。集会参加者は塀を指差し、「あの中に入って、総督のように振る舞うハリスを追い出そう」「本当のテロ国家米国を我々の手で断罪しよう」などと叫んだ。「イラン攻撃反対」「ハリスはこの地から出ていけ」などというスローガンも聞かれた。集会は約30人が参加し、40分間続いた。

 同時刻、集会現場から300メートル離れた大使公邸正門の警備に当たっていた警察官2人は手ぶらだった。最小限の犯行制圧装備である警棒だけでなく、それを携帯するためのベルトも締めていなかった。しばらく後に交代で投入された4人1組の警察官も交通整理用の赤いプラスチック製の誘導棒を1人が持っているだけで、残る3人は手ぶらだった。警備の警察官に本紙記者が三段式警棒を持参していない理由を尋ねると、「今持ってくる」と答えた。それから10分余りして、警察官2人が警棒4本を持ってきた。

 警察は昨年10月、親北朝鮮団体のメンバー17人に警備網を破られ、大使公邸への侵入を許した後、米大使公邸をはじめ、主な外国大使公邸の警備勤務者に対し、「三段式警棒」と呼ばれる護身用の警棒とカプサイシン噴射機などを常に携行させると発表した。しかし、米国務省が公式に抗議声明を出すに至った乱入事件の直後にも警察は責任者に対する懲戒を全く行わなかった。当時よりも多人数のデモ隊が押し寄せた今回も警察は無防備で警備していたことになる。

 南大門署関係者は「記者会見があった10日には普段よりも多くの警備人員を配置したため、一部の警察官に三段式警棒を支給できない状況だった。代わりに会見場付近には突発事態を防ぐため、防護盾を持った警察が配置されていた」と説明した。

ホ・ユジン記者
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  • ▲慌てて三段式警棒を装着する警官--10日、ソウル市中区の米国駐韓大使公邸前で警察官が三段式警棒を装着している。本紙記者が「常に装着すると発表した三段式警棒を装着しているか」と質問すると、警察官は「今持ってくる」と答えた。10分後に別の警察官が警棒を持参した。/ホ・ユジン記者

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