米紙「南北共同五輪誘致構想は絵に描いた餅」「文大統領はラ・ラ・ランドに住んでいる」

 米ワシントンポストは18日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が新年の辞の記者会見で2032年の五輪南北共同誘致を表明したことを「絵に書いた餅(pie in the sky)」と評した。南北関係、北朝鮮の人権問題、外国人観光客、報道陣の安全問題を考えると現実性を欠くとの分析だ。

 同紙は「これほど大規模のイベントを共同で準備するほど韓国と北朝鮮が何年も安定的な関係を維持し、世界のメディアが参加し、数百万人の観衆が自由に競技を楽しむことができるという考えは全く『絵に書いた餅』だとアナリストの多くが語る」と伝えた。

 同紙は文大統領の対北朝鮮構想について、「空想家的(visionary)な物から愚かな(foolish)物までに分かれる」とし、「北朝鮮は韓国と対話することを拒否し、軽蔑と侮辱に満ちた公式報道を通じてのみ意思疎通を行っている」と指摘した。同紙は北朝鮮の女子サッカーチームが今年2月、済州島で開かれた東京五輪最終予選に参加せず、昨年10月に平壌で開かれたサッカー・ワールドカップ予選の韓国対北朝鮮戦が無観客・中継なしで行われたことを例に挙げた。ヒューマン・ライツ・ウォッチでアジア局副局長を務めるフィル・ロバートソン氏は「北朝鮮に対する認識に関して、文大統領は『ラ・ラ・ランド』(ファンタジー映画)のような別世界に住んでいる。五輪共同開催提案は現在の政治的現実と完全にかけ離れた太陽政策的楽観主義の上に構築された巨大プロジェクトだ」と評した。

 同紙は北朝鮮の人権と安全の問題も指摘する。「2022年の(サッカー)ワールドカップを誘致したカタールが建設現場の移住労働者を搾取しているとの批判を受けたが、北朝鮮の五輪競技場が強制労働で建設されるとすればどうか。大学生オットー・ワームビア氏がなぜ平壌訪問中にポスターを破った疑いで監獄に閉じ込められ、昏睡状態に陥り、米国に帰国した直後に死亡したのかを思い出せ」と書いた。米国防フォーラムのスーザン・ショルティ代表は同紙に対し、「(韓国と北朝鮮の)両国が共に五輪誘致に取り組むことは北朝鮮住民に毎日加えられる過酷な行為を無視するものであり、活気ある共和国である韓国の地位を(北朝鮮と)同じ地位におとしめるものだ」と述べた。

金真明(キム・ジンミョン)記者
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