フィリピンに不法輸出したごみ5千トン、1年半ぶりに韓国に返送

 2018年にフィリピンへと不正に輸出された韓国のごみ5100トンが1年半たって韓国に返送される。問題のごみは韓国の廃棄物輸出業者が現地の輸入業者と組み、リサイクル可能な合成プラスチックを装い、フィリピンに輸出したものだ。実際はリサイクルが不可能なごみだったことが判明し、フィリピンの環境団体が在フィリピン韓国大使館前で「持ち帰れ」と抗議デモを行うなど論議を呼んでいた。

 米CNNは19日、フィリピンに違法に放置されている韓国の廃棄物5100トンの最終返送作業が始まったと報じた。韓国環境部は20日、5100トンのうち約800トンの返送作業が始まったことを確認した。韓国政府は今年中に残る廃棄物も全て運び戻す計画だ。包装後港への輸送費用はフィリピン政府、フィリピンの港から韓国・平沢港へ輸送後、焼却処分するまでの費用は韓国政府がそれぞれ負担する。

 韓国政府は昨年1月、フィリピンの港湾に保管されていた1400トンを韓国に輸送した後、フィリピン政府と協議を続けてきた。先行して運ばれたごみ1400トンはコンテナに積まれた状態だったため、輸送が容易だったが、残る5100トンは既に私有地に投棄されており、再び包装の上で輸送するのが困難だった。環境部関係者は「廃棄物の返送に使う貨物船を別途運航するのではなく、フィリピンから韓国に向かう貨物船の空きスペースを利用して運ぶため、時間を要する」と説明した。

 5100トンが返送された後の処理も問題だ。費用は10億ウォン(約9500万円)以上かかると見込まれるが、誰に原因があるのか特定されてないからだ。政府と地方自治体は予算を投入し、先に処理を進めた上で、不正輸出に関与したC氏に費用を請求する計画だが、C氏はフィリピンに潜伏して行方が分からない状況だ。

キム・ヒョイン記者
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