【コラム】ゴーンの脱出と検察改革

【コラム】ゴーンの脱出と検察改革

 日本人にとっての誇りの一つが「日本は法治主義国家」ということだ。2011年の東日本大地震の後、当時の細野豪志・原発事故担当相に会い、事故の対応について質問したことがある。細野氏が最初に口にした言葉は「関連法の整備を急いでいる」だった。対応について尋ねたのに「法」が先に出てきたのが印象に残った。日本のマスコミは、誰かが亡くなったとき「死亡」の代わりに「心肺停止」という単語を使う。息は途絶えたが法的に死亡宣告が下されていないからというわけだ。

 そんな法治国家の日本の面目が最近丸つぶれになっている。ゴーン元日産会長が昨年末、レバノンに逃亡し、今月8日に記者会見を開いて日本の司法制度を猛非難したからだ。ゴーン元会長は14か月前、金融商品取引法違反・会社法違反の容疑で東京で逮捕され、保釈されて裁判を待っているところだった。

 海外メディアが注目したのは、ゴーン元会長の主張や日本の司法制度の不公正感よりも、「人権」問題だった。ひとまず容疑者を捕らえると、別件の捜査で拘束期間を延長し、弁護士が同席しない状態で一日中尋問して自白を強要する方式だ。ゴーン事件の前から、日本社会でも論争になることが多かった。

 とりわけゴーン事件については、海外メディアだけでなく日本でも誤りを指摘している部分が一つある。「判決が出るまで妻との接触を禁止する」という保釈条件だ。判決まで5-6年を要する可能性もあるのに、このような条件が付いているのだ。60代半ばのゴーン元会長が日本の地で妻と会うことも禁じられたまま、裁判だけを待てというのは妥当なのかというわけだ。特に欧米の法感情では想像もできないことだ。日本のテレビに出演した日本人弁護士たちも「非人間的で行き過ぎた仕打ちだ」「日本の司法制度の汚点」と自国の制度を批判している。

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