「昨年400億ウォン相当の石炭を瀬取り…北、中国へ違法輸出」

「昨年400億ウォン相当の石炭を瀬取り…北、中国へ違法輸出」

ロイター、安保理の報告書を報道

 北朝鮮が昨年、船舶間の洋上積み替え(瀬取り)により、3億7000万ドル(現在のレートで約406億円、以下同じ)相当の石炭を違法に中国へ輸出したという。ロイター通信が10日(現地時間)、国連安保理の北朝鮮制裁委専門家パネルの報告書を入手して報じた。AP通信も同日、この報告書を引用して「北朝鮮が石油を違法に輸入し、(安保理制裁)決議を破っている」と報じた。安保理決議により、北朝鮮の石炭輸出は全面禁止されており、北朝鮮向けの石油の輸出も最大で年間50万バレルに制限されている。

 この報告書によると、北朝鮮は昨年1月から8月までに、およそ3億7000万ドル分に当たる石炭370万トンを輸出し、このうち280万トンの輸出は北朝鮮船と中国のバージの間の「瀬取り」で行われた。また、中国船に積まれた北朝鮮産の石炭は、東シナ海の杭州湾に面する3カ所の港や揚子江の施設に直接運び込まれた。専門家パネルは、北朝鮮が川をしゅんせつして得た土砂も100万トン以上中国へ輸出し、少なくとも2200万ドル(約24億円)を稼ぎ出したことを明らかにした。北朝鮮は「第三国の仲介者を通して国際金融システムを利用」しており「金融制裁を回避するため、世界のさまざまな銀行に対するサイバー攻撃や違法な外貨獲得を続けている」と、同報告書はつづった。

 これに関して米国のセキュリティー企業「Recorded Future」は、9日(現地時間)に発表した報告書で、2017年から19年までの3年間で北朝鮮のインターネット使用量は3倍に増えたと分析した。一般住民のネットアクセスが遮断されている北朝鮮でインターネットの使用量が増えたのは、暗号通貨のマイニングやサイバー攻撃のためだとみられる。とりわけ、北朝鮮は「ビットコイン」より匿名性が高く隠匿しやすい「モネロ」のマイニングに集中している、と同報告書は伝えた。

金真明(キム・ジンミョン)記者
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