韓国旧正月定番の小言「早く結婚しろ」が「卵子でも凍結しとけ」に

韓国旧正月定番の小言「早く結婚しろ」が「卵子でも凍結しとけ」に

 ソウル市城北区の会社員、ソンさん(女)=34=は、旧正月の連休に故郷である釜山に帰省し、そこでいつものように両親から小言を言われた。ところが、今回は小言の内容がいつもと違っていた。これまでの数年間、「結婚はいつするの」というのが定番だったが、今年の旧正月は、卵子でも採取して冷凍しておくよう言われたのだ。ソンさんは「結婚するよう催促していた両親が『満35歳と言えば老産と言われているが、その前に卵子を凍らせておきなさい』と言った」という。

 連休の小言に加え、「卵子の冷凍」にまで話が及ぶ世の中になった。親たちが早く結婚するよう子どもをせかしてみたところで、晩婚があまりにも一般的になってしまっているためだ。仁川市中区に住むソンさん(女)=60=は「娘に向かって『孫の顔が見たい』と言うのをやめた」とし「代わりに子どもを産みたくなった場合のことを考えて、卵子でも冷凍しておくようアドバイスしている」と話す。

 親たちが「卵子を冷凍するよう」勧めるのは、不妊を懸念する部分もある。ソウル市麻浦区の主婦、イ・ソンジュさん(59)は「30代半ば以降に子どもを持つようになると、いろいろと苦労するという話を聞いた」とし「現在30代初めの娘の結婚が遅れれば、不妊で苦労するか心配で、1歳でも若いうちにあらかじめ卵子を凍らせておくよう言っている」という。

 政府も不妊の夫婦が増えたことで、支援策を検討している。2018年には不妊治療休暇制を取り入れ、昨年は不妊施術健康保険適用対象を拡大した。

 卵子冷凍がはやり始めたことで、女性専門病院の卵子冷凍センターは業務に追われている。国内のある不妊専門病院の新規凍結卵子の数は、2013年の149個から16年には1786個にまで増えた。3年で10倍以上に増えた計算だ。当病院によると、1回につき1個の卵子を採取して3年間冷凍保存するのにかかる費用は350万-400万ウォン(約31万-36万円)だ。病院の関係者は「坑がん治療に入る前の元気な卵子の保管を願う場合など、用途が極めて制限的だった採取手術が人気を集めながら、一般の市民たちも『出産予備』の目的で施術に乗り出す人が増えている」と説明する。

 海外ではすでに卵子冷凍が普遍化している。2014年以降、フェイスブック、アップルなど米国のIT企業では、社内福祉の一環として「卵子冷凍補助金」を支給している。

アン・ヨン記者
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