【コラム】大韓民国憲法の上に金正恩の機嫌があるのか

 太永浩氏の出馬が不適切だという千議員の主張は、憲法の価値を否定するものだ。韓半島全体を大韓民国の領土と規定している憲法上、脱北民もまた厳然たるわが国民だ。また、憲法は第10条で幸福追求権を、25条で公務担任権(公務を遂行できる参政権)を国民の権利として明示している。被選挙権のある国民は誰でも自由に出馬できるという原則だ。8年前、北朝鮮の金日成総合大学出身の趙明哲(チョ・ミョンチョル)元統一教育院長が比例代表で選出されて国会議員になった前例もある。元法務部長官で当選5回の千議員がこれを知らないはずがない。

 太永浩氏の出馬が正しい南北関係の構築に寄与できるのか、または与党勢力の主張通り障害になるのか、現段階では分からない。しかし、それは有権者が判断することであり、太永浩氏も小選挙区から出馬して審判を仰ぐつもりでいる。それにもかかわらず「北朝鮮に対する全面戦」などと言って太永浩氏の出馬自体を否定する者には、このように反問するほかない。大韓民国の憲法が重要なのか、金正恩(キム・ジョンウン)氏の機嫌が重要なのか。

ユン・ヒョンジュン政治部記者

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