居直る中国「米国がコロナの発生地」

 27日には中国で「SARSの英雄」と呼ばれる中国工程院院士、鐘南山氏が広東省広州市で記者会見し、「新型コロナウイルスが中国で真っ先に出現したが、直ちに中国で発生したとは見なせない」と主張した。

 28日にスイス・ジュネーブで開かれた世界保健機関(WHO)の記者会見では、中国・中央テレビ(CCTV)の記者が鐘氏の発言に言及し、「新型コロナウイルスが他地域から来た可能性はあるのか」と質問した。これに対し、WHOのマリア・ファン・ケルクホーフェ(Maria Van Kerkhove)新興感染症対策部門責任者は「まだ確実な答えは得られておらず、現在調査中だ」と答えた。中国メディアは一斉に「WHOが発生地の不確実性を認めた」と大々的に報じた。環球時報は1日、「新型コロナウイルスの発生地が不確実なのに(中国に)汚名を着せるべきなのか」とする記事を掲載した。

 今年1月の段階で新型コロナウイルスの発生地として華南海鮮卸売市場を指摘していた中国が別の主張をする理由を巡っては、拡散責任を避け、悪化した国内世論を鎮めることが狙いと受け止められている。中国はこれまで新型コロナウイルスの発生について、他国に謝罪したことはない。習近平国家主席はむしろ2月18日、「中国の徹底した防疫措置が世界の公共安全に大きく貢献した」と主張した。

 中国がこうした態度を取る背景には、正確な発生地は断定が難しいとの計算が働いているとの見方もある。新型コロナウイルスが世界各地に広がり、変異を繰り返す状況で、正確な起源を探すのは困難だからだ。

イ・ボルチャン記者

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